SAO編−白百合の刃−
SAO27-白黒ヒーロー
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」
「そうね…………止める気なんてあったら精神的に疲れるわ」
「酷いなぁ……」
「一緒に行くだけでもありがたいと思いなさい」
「ありがと」
「うん」
ドウセツもなんだかんだ言いながら、スズナを抱っこして立ち上がった。
「皆さん……本当にありがとうございます」
また深く、サーシャさんはお辞儀をすると、メガネをグッと押し上げて言った。
「それじゃ、すみませんけど……走ります。行きましょう!」
教会から飛び出て、一直線に走り出すサーシャさんの跡を私達は追う。
その後ろには……。
「み、皆さん! 駄目です! も、戻ってください!」
教会にいたであろう、子供全員が私達の跡を追ってきていた。それをイチがなんとかして止めようとするも、子供達は止まることはなかった。
サーシャさんも後ろを見て確認するが、追い返す気はなかった。
子供達も囚われた仲間を黙って待っていられないようで、思わず衝動的に助けに行く姿を見て、思わず笑ってしまう。
「子供もついて来ちゃったか……」
「もういいんじゃない……止めるだけ無駄よ」
「それもそうだね」
「そしてキリカの残念な姿をお披露目する」
「そこにドウセツが加入してふざけないでよね」
狙うつもりはないが、子供達にかっこ悪い姿は見せたくないので、心して悪い大人退治を心がけよう。
東六区の市街地に入り、裏通りを抜け、店先や民家、庭など経由して行くうちに細い路地へ差し掛かった。およそ十人の灰緑と黒鉄で装備された者は間違いなく『軍』の人達だとわかった。
サーシャさんは躊躇せず路地に駆け込み足を止める。
「子供達を返してください!」
硬い声でサーシャさんは発すると、『軍』のプレイヤーは振り向き、ニヤリッと笑みを浮かべて言った。
「お、叔母さんの登場だぜ」
「子供達を返してください? ハンッ、人聞きの悪いこと言うなって。返してやるよ、ちょっと社会常識ってやつを教えてやったらな」
子供を人質に取る人が社会常識って……これまたわかりやすい悪い大人達ね。十分人聞き悪いわよ。
「そうそう。市民には納税の義務があるのだからな」
ワハハハ、と『軍』のプレイヤーは笑い声を上げると、周りの『軍』のプレイヤー達も笑いだした。
「うざいわね……」
ボソッとドウセツは呟いた。こればかりは……『軍』にはフォロー出来ない。そもそも悪い大人達にフォローするつもりなんてないけど。あ、ドウセツがあまりにも酷いことしなければ例外にしようかな。
「ギン! ケイン! ミナ! そこにいるの!?」
サーシャさんは固く拳をブルブルと握り震えながら、軍達の向こう側にいる少年少女に呼びかける。
「先生! 助けて……!」
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