SAO編−白百合の刃−
SAO27-白黒ヒーロー
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て自虐するようなこと言わないの」
「わ、悪かった……ごめん」
それを言っちゃったら……私も、私なんかよりもって比較して自己嫌悪になっちゃうんだよ。それでも兄は頑張っているじゃない。兄のことを非難する人はいるかもしれないけど、私達は誰も兄のしたことを責めないよ。
「いぇ、いえええええ、だいじょようゆでちゃやら」
イチは全身が真っ赤になるように噛みまくりながらブンブンと取れてしまうくらいに首を振って着席。
「いいんです、気にしてませんから」
サーシャさんはニッコリと笑って、眠るユイちゃんとスズナを心配そうに見つめて口にした。
「私、子供達と暮らすのはとっても楽しいんです。だから私達、二年間はずっと毎日一エリアずつ、全ての建物を見て回って、困っている子供がいないか調べているんです。お二方の小さい子供が残されていれば気づくはずですが……残念ですけど、『はじまりの街』で暮らしていた子ではないと思います」
「そっかぁ……」
「申し訳ありません、アスナさん」
手掛かりはなし、か…………仕方ないね。
となれば、可能性として、スズナとユイちゃんは親、あるいは親族の方とはぐれてしまった。おそらく下層で一緒に暮らしていると思う。ただ、それだったらスズナやユイちゃんの情報が流れてもおかしくはないのに……そういった情報がない。
振り出しに戻るどこか、深く謎が深まるわね……。
「話し逸らすようになるけど、どうして攻略組の一人でギルドリーダーがここにいるのかしら?」
「ふぇ? え、えっと……」
唐突ではないものの、イチはドウセツの発言に少々戸惑ってしまう。
「その……ゲームが始まって半年後のことです。ふと皆さんが集結しました『はじまりの街』のことが気になってしまい、思わず足を運びました。そこでたまたま一緒にお子さんと歩くサーシャさんと会いまして事情を聞きました。そして思わずわたしも子供達のために手伝いたいと思いまして、わがまま承知でわたしも手伝うことにしたんです」
「そう」
「あ、はい……」
ドウセツは淡々としながらも納得したようで、これ以上聞かなった。
ゲームが始まって半年後、結構早くから支援していたのか。それでもヒースクリフ並の鉄壁を持つんだからすごいわね、ほんと。
「イチさんが手伝ってくれているおかげで、充実した生活が送られています。贅沢はできませんけどね」
「なにしているんだ?」
兄の言葉にイチはビクッと反応しちゃうが、落ち着いて話した。
「たまにわたしが稼いだ半分のコルはここに提供しているんです。お金があれば子供達の食事や服などの心配ごとはいりませんが…………最近、ちょっと」
イチのおっとりした声が厳しくなって、口を開いて続けようとした時だった。
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