SAO編−白百合の刃−
SAO27-白黒ヒーロー
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ていました。もちろん、ゲームに適応して街を出て行った子供もいるのですが、それは例外的なことだと思います」
「そうですよね……」
するとイチが当時を振り返るように話しを始めた。
「わたしも当時は何がなんだかわからなくて混乱してしまいました。わかった……わかりたくなかったんですが、頭の中ではもう二度とお母さんお父さんには会えないんじゃないかと思い込んでしまい、ただ泣き叫んでいました。ここにいる子供達よりもちょっと年上だけど当時はとても耐えられなかったんです。いいえ、大人の方だってすぐに適応できないと思うのです」
今はヒースクリフと並べる程の鉄壁を持つ攻略組かつ、『怒涛の快進撃』のギルドリーダーでもデスゲーム化してしまったSAOの初め頃はベッドに包まって泣いていることだってあるんだ。それもそうだよね。イチの言った通り、当たり前のようにいた両親に、当然会えなくなってしまうし、関わって来た人達とも会えなくなってしまうんだから、精神が持たないのも無理はない。大人だって無理なことが子供に耐えられるはずがない。
「サーシャさんは、ゲームが始まってから子供の面倒を?」
アスナの質問にサーシャは首を振って答える。
「いいえ、最初からではありません。ゲーム開始から一ヶ月くらいはゲームクリアを目指そうと思いまして、フィールドでレベル上げしていたんです。そんなある日、一人の子供を見かけてしまって、その子を放っておけずに連れてきて宿屋で一緒に暮らし始めました。その時、私はそんな子供達が他にもいると思い始め、いても立ってもいられなくなって、街中を回っては独りぼっちの子供にかけるようなことを始めたら……二十人くらいの子供達が集まり、気がついたらこんなことになっていたんです」
サーシャさんは強ばりながら言い。私達を見移してして、言い続けた。
「イチさんや皆さんみたいに、上層で戦っていらっしゃる方々もいるのに、私は……」
「そ、そんなことないです!」
イチはサーシャさんが言うことを悟り、勢い良く立ち上がって声を張り上げて発言する。
「さ、サーシャさんは立派に戦っています! 子供さん達のことを失わないように、守ろうと一緒に暮らしているじゃないですか! 立派に戦っています! けして逃げているわけじゃありません!」
顔が若干赤くなりつつも、噛みそうで噛まない発言するものの、イチが張り上げた声はありのままの意思を響き渡らせる強いものを感じさせられた。
「そうだよ、サーシャさん。立派に戦ってる……俺なんかより」
「キリトさんも立派に戦っています!」
「うおっ!?」
まさか自分が言われるとは思わず、イチの声量と共に驚いてしまった。
……そうだよ、その通りだよ。
「そうだよ、兄。俺なんかとか比較し
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