SAO編−白百合の刃−
SAO27-白黒ヒーロー
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いる子供達を助けようとしたけど、それはドウセツがすでに救出しているし、『軍』のおしおきもアスナ抜きにしてもできているので私や兄、イチが参加するまでもない。
「私達の出番ないね」
「だな」
私達、双子の父親は正義ヒーローと言わんばかりに、悪い大人たちをこらしめている母親を眺めていた。その結果、数人の『軍』プレイヤーは虚脱して転がっているか、気絶していたり寝転んでいたり、残りのはリーダーを見捨て逃げ出していた。
十二分にも悪い大人達をこらしめた二人の母親は武器を鞘に収めて振り返る。
それに対し、私はスズナを抱いたまま近くに寄る。兄はアスナのところへ行った。
「お疲れさま」
「悪いわね。貴女の変わりに動いて」
「いや、別にいいよ。ドウセツが優しいの、知っているし」
「別に優しくはないわ……」
またまた、そんなこと言っちゃって。びっくりしたけど、ドウセツが子供達のために動いたってこと、わかっているよ。
アスナにも声をかけようと、顔を向ける。
清々しい表情をしているドウセツと違って、アスナの表情は沈んでいた。元気がないというか、やってしまった感が漂う……。
「兄ー、アスナどうしちゃったの?」
「いや、それが……」
「キリトちゃん……わたし、やり過ぎちゃったかも……」
「あぁ……」
サーシャさんと子供達に視線を向ける。映っていたものはポカーンと口を開いる。言葉を詰まられるのはまだしも、完全に絶句していた。
確かにアスナはやりすぎたかもしれない。『軍』に同情させるほど、アスナが『軍』に対して容赦なく成敗していた。子供達からすれば、ヒーローが悪を倒すというよりは、もの凄く強い悪が悪を倒している方がイメージしてしまったかもしれない。
アスナは自分の行動には後悔してはいないと思うが、その結果子供達を怯えてしまったと思うと罪悪感を抱き、表情が浮かばなくなるだろう。
「だから言ったのに……私だけで十分だって」
「でも……」
ドウセツは例え子供達が助かれば、怯えても構わないと思っている様子。
それでも子供達は助かったんだから、私は誇ってもいいと思うんだけど……。
「み、皆さん凄いですよ!」
突如、一人大きな声で発する。
大きな声を出していたのはイチだった。
「二人のお姉さん達のおかげでギンさん、ケインさん、ミナさんは無事に助かりました! わたし達を救ってくれたお姉さん達に…………ば、バンザーイ! バンザーイ!」
不器用ながらもイチは空気を変えようとして、アスナとドウセツを慰めていた。アスナとドウセツは子供達の味方であり、ヒーローだった。そうであるようになんとかしようと頑張って声を張り上げていた。
すると、赤毛の少年がアスナに近寄り瞳を輝かせながら口
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