SAO編−白百合の刃−
SAO27-白黒ヒーロー
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「ごめんくださ〜い」
「徴税なら帰ってください!」
「うわぁっ」
教会の正面にある大きな二枚扉をゆっくりと開けたら、怒声が響き鳴ったのに対して驚いてしまった。
「……なにがしたいの?」
「私に聞かないで」
ドウセツさん、そんなくだらないと思わせるような冷たい目で見ないでください。私な~んにもしていませんよ~。
「なにしに……来たんですか?」
訊ねられる。おそらく、怒声を発した女だろう。声でだいたいわかる。
正面を向けると、一見して地味そうに見えるが、よく見れば可愛い顔立ちをしている紺色のロングヘアを束ねた三つ編み文学少女。おとなし目の深い緑色のセーターに、モノクロ柄のチェックスカートを着用しているなか、彼女は盾と片手槍を構えていて、私達を敵視していた。
なら誤解を解こう。私達は敵ではないんだから。
その先陣を切ったのはアスナだった。
「私達は教会に用があって……」
「徴税ですか?」
「いや、そうじゃ」
「貴女達も人ならどうして……!」
「まって話聞いて!?」
どうやら彼女は、徴税しに来た『軍』と間違えているようだった。アスナが『軍』でないことを説明しようとするも、槍を構えた少女は怒りで聞き受け入れてくれなかった。確実に冷静さを失っていて、今にも私達に槍を突き刺しそうだ。
「違うんだ。俺達は徴税しに来たわけじゃない」
兄がアスナの変わりに誤解を解こうとした。
「なにを言っているんで……す…………」
槍を構えた彼女はアスナと同様に敵視していたが、兄と目が合うと急に勢いがなくなった。
「!?」
そして急に、タコが茹で上がったように全身真っ赤っかになった。
「あ、ご、ごめちゃ、ごまみゃ、ご、ごご、ごほっ、や、ま、え、あ、あの、ほう、あわっ、あわわわわわわわわ」
さらにテンパるを辞書を引いたかのように、槍を構えた少女はあたふたに奇妙な動きをして噛みまくる。誰がどう見ても完全に動揺しているのがわかる。心臓がバグバグが今にも聞こえてきそうな勢いだ。
「おい、大丈夫か?」
兄は動揺し始めた彼女に近づこうとした。
「あ、いや、わ、わたくしくしだ、だだ、大丈夫なわけでごぢゃりまちゅるので! あ、はい大丈夫ですよ! 元気ですかーですよ! 1、2、3、4です! ダーダーダアアアアアア!」
兄が近づいたことでより一層に混乱してしまった。どうしてそこまで動揺するのだ?
うん、おかしい。兄だけ明確に反応が違う。なんでだ?
まさか、兄に対して一目惚れしたのか? だったら兄のくせに生意気だ! というか、兄なんかに一目惚れするとか見る目あるの!? 顔立ちが良い方だけど一目惚れするようなイケメンじゃないよ?
私もよくわからな
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