暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
カメンライド 2
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 一見ただの少女の姿をしているが、その移動方法に足は使わない。アスファルトを滑走していくディケイド吹雪の足元には、時折波のような水しぶきが散り上がる。

「行くぜ!」

 ビーストが叫び、アスファルトから飛び出す。固体を貫通し、泳げるその能力に対し、ディケイド吹雪は低姿勢を取る。
 歩行では決して出来ない、低体勢のままの移動により、ディケイド吹雪はビーストのラッシュを避け切った。

「遅い!」

 ビーストの腹に当てられた、ディケイド吹雪の砲台。

「なっ!?」
「食らえ!」

 それは、ゼロ距離の砲撃。乾いた空気に響く発射音は、ビーストを吹き飛ばし、地面という海の中に撃沈させた。

「コウスケ!」

 ウィザードはディケイド吹雪の背後に飛び上がる。そのままウィザーソードガンを振り下ろす。
 それは防御によって出された砲台を切り裂き、そのままディケイド吹雪を蹴り飛ばした。
 両足で支えたディケイド吹雪へ、ウィザードは即座に追撃の指輪を発動する。

『チョーイイネ ブリザード サイコー』
「お前よりによって今それ使うなよ!」

 地面の中から、ビーストが叫ぶ。
 ウィザードはそれを無視しながら、右手を地面に叩きつける。広がっていく青い魔法陣とともに、氷の柱が突き上がっていく。
 ディケイド吹雪はひたすらに動き回りながら、氷を避ける。
 だがやがて、その右足を氷が捕らえた。

「何!?」
「よし!」

 そのまま氷が、ディケイド吹雪を飲み込もうとしていく。
 ディケイド吹雪は、完全に氷に閉ざされた。そう、思ったが。

『カメンライド シンラ』

 ディケイド吹雪の足が、炎に包まれる。ジェット噴射のように炎が発射され、氷の発射台を砕き、新たなディケイドが空へ上がっていく。
 黒い消防服を纏った、ギザギザの歯が特徴の少年。それは、人体発火現象により、(ほむら)ビトとなった怪物たちから人々を守るヒーローを志す少年、森羅日下部(しんらくさかべ)を模したディケイドシンラである。
 ディケイドシンラは体を捻りながら、ウィザードへ蹴りを放つ。炎を宿した裸足の蹴りは、水のウィザードを地面にめり込ませる。
 そのまま空中へ離脱しようとするディケイドシンラ。だが。

『カメレオン ゴー』
「逃がさねえぜ!」

 ビーストの肩に装備された、カメレオンの甲冑。その口から発射された長い舌が、ディケイシンラの右足を掴んだ。

「うっし! 続けて……!」

 ビーストは即座に、手にしたダイスサーベルのサイコロを回転させる。右手のカメレオンの指輪でダイスを止めると。

『5 カメレオン セイバーストライク』
「上出来だ! オラァ!」

 ビーストがダイスサーベルを振ると、五体の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ