お前を義息にもらう前に、知らせておきたい事がある
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見えるが?」
私にもそう見えるが、それを堂々と言うのがウルフ君だ。
「2話分だバカ!」
「バカって言うな馬鹿! 『話』って事はその漫画ってのはストーリーがあるのか?」
「漫画ってのは絵と文字を使って表現する物語だ」
「小説とかとは違うの?」
「小説の場合は、随所に挿絵が入ってるだけだろ。この漫画ってのは、文字だけでは表現しきれない部分を絵で、絵だけでは表現しきれない箇所を文字で表現する事が出来る、この世界には無い物語の表現方法だ」
「そんな都合の良い表現方法があるのかよ?」
「あるんだよ。性格の悪い孤児が、異世界の美少女に見初められて連れて行かれた世界で、巨大な権力を思うままに振るえる様なご都合主義があるように、こんな都合の良い表現方法はあるんだよ(笑)」
「例に挙げたご都合主義は、都合の悪い部分を秘匿してるけども?」
「兎も角……万人が理解しやすくなる様な物語の表現方法をグランバニア発で世界に広めようと考えている。そしてその始祖にラッセンがなってほしいと思っている」
「お、俺にそんな重大な役目が務まると……?」
流石にラッセル君も戸惑ってるわね。
「漫画的表現ってのはね、何も現実に忠実である必要は無いんだ。勿論、物語の種類によってはリアリティーが重要になる事はあるけども、お前が描く空飛ぶイルカの絵や、水上を走る白馬の絵なんかは、まさに漫画の誇張的表現にピッタリだと思うんだ」
「それで……これがリュカさんの言う、漫画的表現の作品か? 生意気そうな男が、ネコ(?)の尻尾を踏んで引っかかれてる絵が?」
リュカさんが持って来た(多分事前に描いてきた)絵を指さし尋ねるウルフ君。
「うん、そうだよ……あぁ、タイトルを書き忘れてた。え〜と『ずっこけウルポン』っと(笑)」
「誰が“ずっこけ”だ!? 俺はマヌケじゃねーぞ! ってかウルポンって呼ぶな!」
なるほど……言われてみればウルフ君に見えなくも無いわね。意外にリュカさんも絵が上手いのね。
「だから言ったろ。漫画的表現は別にリアリティーが無くても良いんだよ。まぁ観る側が如何感じるかは人それぞれだけど(笑)」
「もう一つの漫画は何てタイトルだよ? 何か貧相な男が箱(トロッコ?)に乗って、同じ所を回り続けてるだけのヤツは!」
先刻リュカさんが言った縦4コマで1話……その隣に描かれてるもう1話の事をウルフ君も気になってる。
「こっちのタイトルは『龍神様、激闘の20年間』だ。こっちは実話に基づいてリアルに描かれている。神様を題材にしてるから、敬意を払って描かせてもらったよ(笑)」
「か、神様を題材にしてるのに、リアルなんですか?」
ラッセル君の意見は尤もね……でもリュカさんなら問題無いのよ。
「まぁ読み手によ
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