お前を義息にもらう前に、知らせておきたい事がある
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……お前を宮廷画家に任命した日。既に僕はお前と娘が付き合ってる事を知っていた。だから優先的にお前の描いた絵を探して見たんだ」
「やはり縁故って事ですよね?」
「そこまではね」
「そこまで?」
そこまで?
「もしお前に絵の才能が全く無い……もしくは絵画に関する知識の無い僕にですら下手くそだと思える絵を描いていたら、そんな奴を宮廷画家になんかするものか!」
「つ、つまり……実力は評価していただいてる、そう思って良いのですか?」
「そうだよ。知っての通り僕は絵画や彫刻に関して知識が無いし興味も薄い。そんな僕でも絵画に関して概ね三段階での評価が出来る。上手い・普通・下手の三段階だ。絵画に関して見識が深くて百段階くらいのランク付けをする奴なら、お前より実力のある者は見つける事が出来るんだろうけど、ランク100とランク99の違いなんて僕には判らない……どっちも僕のランク付けじゃぁ“上手い”に括られる」
「……? やはり縁故なのですか?」
「だ〜か〜ら〜! 実力を確認する切っ掛けはリューナでも、実際に実力が無ければ登用しないって事だよ!」
んんん〜〜〜???
「娘さんが居なければ、俺は宮廷画家にはなれてない……と」
「だから違ーってんだろ! リューナの存在がなければ宮廷画家になれたか否かは分からない。今回に関して言えばお前が宮廷画家になる切っ掛けを作ったのはリューナだ。でも僕は実力も無い奴を登用はしない!」
う〜ん……何となくだが解ってきたわ。
リュカさんなりに彼の実力は認めてる……でも宮廷画家に無っ等切っ掛けはやはりリューナの存在って事よね。
義息君も複雑な顔をしてるわ。
「不満かい……それとも納得しづらいかな?」
「そ、そうですね……俺にもプライドがありましたから……」
まぁ多少はそうよねぇ。
「……じゃぁ順序が逆になるけど、お前のプライドを守る話に移ろう」
「……?」
何だろうか……順序が逆?
「お前を中心に、この世界に“漫画文化”を広めてもらいたい」
「漫画文化……!?」
『漫画文化』とは何だろうか?
リュカさんは持参してきた茶封筒からA4サイズの紙(書類?)を数枚取り出しテーブルに広げる。
その書類には横に2・縦に4で四角く区切られ、その中に絵と文字が書かれた落書きの様な物が描かれている。
落書き……多分、ネコかイヌとツリ目の男、それと眼鏡を掛けた龍(?)が描かれている。
「何ッスかそれは?」
如何やらリュカさんの行動(+絵と思われる内容)が気になったウルフ君と仲間達は、私達の席へと近付いてきてテーブルの上を覗き込んでいる。
あなた達は部外者でしょ。
「これは四コマ漫画だ」
「四コマ? 八コマ有る様に
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