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リュカ伝の外伝
お前を嫁にもらう前に、知っておきたい事がある
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臣に対して……
「えっ? 何って……茶を飲んでるんですけどもぉ、何か?」
と応える宰相閣下。最悪だあの人……いや、あの連中。

「アイツ性格悪いなぁ、やっぱり(笑)」
何時もの様に優しく澄んだ声で笑いながら、陛下は俺の目の前の席に腰を下ろし、店員(ラングストン近衛騎士隊長)に紅茶を注文する。
いやいやいや……何所に座ってるんですか選りに選って!

「あ、あの陛下……そ、その席は本日予約が入ってまして……そのぉ……別の席に座って頂きたいのですがぁ……」
と言うよりも店から出て行ってほしいのですがぁ!

「あ、誰か来んの!? ゴメンね気付かなくて」
「リュカさん、大丈夫よ。その席はリュカさんが座る場所よ」
慌てて立ち上がった陛下に、優しい声で着席を促すお義母さん。

「……はぁ?」
「プフゥ〜〜〜ッ!!!」
理解の追い付かない俺は、かなり間の抜けた声を出したが、それを聞いたリューナが腹を抱えて笑い出す。因みに後方の部外者席からも、笑い声が聞こえてきた……しかもピピン閣下の声も追加されてた。

「アハハハハッ。ご、ごめんなさいラッセル。フッ、フフフフフッ!」
何故笑ってるのか……何がごめんなさいなのか……まだ俺には理解出来てないが、貸し切り(部外者込み)の店内から笑い声が連鎖する。お義母さんも口元を押さえて笑っている……笑ってないのは理解出来てない俺と陛下だけだ。陛下も進んで笑いそうだが……?

「この期に及んで未だ言ってなかったんだリューナ……」
「ご、ごめんなさい。ラッセルのこの反応が見たかったから(テヘペロ?)」
何だ……悪戯っ子を窘める様に陛下がリューナの事を軽く叱る。

「済まんねラッセン。娘が思ってたよりも悪戯好きで」
「あ、あぁ……いえ……そんな! 別に俺は何とも思ってないですよ陛下……『娘』?」
え? は? 娘!?

「はじめまして、リューナの実父のリュケイロム・グランバニアです。宜しくお願いします」
「……………えぇぇぇぇっ!!!!!!」
嘘ぉ!?

「ぎゃははははっ、予想通りのリアクション!」
「笑っちゃ悪いよウルフ君。アレは普通のリアクションなんだから」
「そういうレク(レクルト)だって笑ってるじゃん」

俺の後ろの方で言いたい放題言い笑っている部外者連中。
笑い声だけで言えばピピン大臣やラングストン閣下の声も聞こえる。
いや、そんな事は如何(どう)でもいい!

リューナが陛下の娘!?
ヤベェって!
何がヤベェのか分からないが、何か絶対ヤベェって!

ラッセルSIDE END




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