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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第90話:新しい約束
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って、なんで?」

そう言ってなのはは首を傾げる。

「あのなあ。はやては6課の部隊長だろ?住む場所を変えるなら
 報告しなきゃいけないだろ」

「あ、そっか」

なのはは俺に言われてそこに思い至ったようで、ぽんと手を叩く。

「それに引っ越しの日取りも決めないとな」

「そうだね」

「ま、それも含めて明日はやてと相談するか」

「引っ越しの日取りもはやてちゃんと相談するの?」

「休暇の日程調整をしないといけないだろ」

「あ、そっか」

「さっきから”あ、そっか”ばっかりだな」

俺がそう言うとなのははバツが悪そうに苦笑する。

「にゃはは・・・そうだね」

「もうちょっとしっかりしてくださいね。高町1尉」

俺が少し茶化すように言うと、なのはは頬をぷくっとふくらませる。

「むぅ、わたしはしっかりしてるもん」

「どこがだよ・・・っと」

そう言ってなのはのぷっくりと膨らんだ頬を指でつつこうと
ベッドに腰掛けているなのはに向かって身体をのばす。
が、なのははそうさせじと身体を後ろに反らせる。
そして俺はなのはを追いかけて身体をさらに前に伸ばす。

その時だった。
俺の座っていた椅子がバランスを崩してなのはの方に向かって倒れる。

「あ・・・」

椅子が倒れるに従って俺の身体もなのはの方に向かって倒れて行く。
みるみる近づいてくるなのはの顔が驚きに満たされる。
俺はなのはとの激突を予感し思わず目を閉じる。

「きゃっ!」

どさっという音とともに俺はベッドに手をついた。
恐る恐る目を開けると、目の前には目を丸くして俺の顔を見る
なのはの顔があった。

「ゲオルグ・・・くん」

「なのは・・・」

そう言ったきり俺となのはは無言で見つめ合う。

「わ、悪い・・・怪我してないか?」

「ううん・・・大丈夫・・・」

そう言ってなのはは俺の顔を見つめる。

「なあ、なのは・・・」

「ん?」

「いつかの続き・・・したいのですが・・・」

俺が恐る恐る尋ねると、なのはの顔が一気に赤くなる。

「へっ!?」

なのはのひっくり返った声が部屋の中に響く。
しばしの沈黙のあと、なのははスッと俺から目をそらした。

「・・・いいよ」

「え・・・?」

俺はなのはの答えが意外で、情けない声を上げてしまう。

「2回も・・・言わせないで・・・」

そう言うとなのはは真っ赤な顔をさらに赤くして目を伏せる。

「ホントにいいんだな」

確認するように尋ねると、なのはは小さく頷いた。

「優しくするから・・・」

そう言って、俺はなのはに顔を寄せた。


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