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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第90話:新しい約束
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、なのははバッと顔を上げて勢いよく首を振る。

「ううん、そうじゃないの。そうじゃないんだけど・・・」

そう言うとなのはは再び俯いて考え込む。
俺はなのはがどう考えているのか判らず、再びなのはが口を開くのを待つ。
するとなのはは一人で顔を赤くしてなにやらぶつぶつと呟きはじめる。
さすがにこのままでは話が前に進まないと思い、なのはに声をかける。

「なのは」

「にゃひっ!?」

俺が声をかけると、なのはが愉快な声を上げて俺の方を見る。

「よかったら、なのはが何を考えてるか教えてくれないか?」

俺がそう言うと、なのははしばらく逡巡してからおずおずと口を開いた。

「あのね・・・わたしたちって、恋人どうしだけど・・・
 まだ、その・・・将来については・・・ね?
 だから・・・まだ、一緒に住むっていうのは・・・どうかなって思うの」
 
なのははところどころで詰まりながらもそう言った。
なのはの言葉を受けて俺は考え込む。

(将来か・・・俺はなのはと・・・)

俺がじっと考え込んでいるとなのはが不安そうな顔で俺の顔を覗き込む。

「ゲオルグ・・・くん?」

なのはのその顔を見て俺の心は決まった。

「なのは」

俺はなのはの名前を呼ぶとその両手を握る。

「さっきは新しい隊舎ができるまでって言ったけど、
 できれば俺は、ずっとなのはやヴィヴィオと一緒に居たい」

「ゲオルグくん・・・それって・・・」

なのはは驚いた表情で俺の顔を見る。

「うん。もし俺なんかでよかったら・・・」

俺はじっとなのはの目を見つめてそう言った。

「ゲオルグ・・・くん。私・・・」

なのはがうるんだ目で俺を見る。

「私、ゲオルグくんとだったら・・・。
 ううん、ゲオルグくんとじゃないと・・・」

「ありがと、なのは。でも、きちんとしたプロポーズはまた今度に
 させてくれないか?
 その前にいくつかやっておきたいことがあるから。
 なのはを待たせちゃうことになって悪いんだけど・・・」

俺がそう言うとなのははふるふると首を振る。

「いいよ、ゲオルグくん。私ならいくらでも待つから」

「ありがと。でも、そんなに待たせるつもりはないから」

「うん」

なのはは柔らかな笑顔で頷いた。

「で、本題に戻るんだけどさ、どうする?」

「3人で一緒に住むって話だよね・・・」

なのははそう言うと目を伏せて少しの間考え込む。
そしてすぐに目を上げるとなのはは笑顔を浮かべて口を開く。

「えっと、とりあえず隊舎の再建が終わるまで・・・ってことなら」

「そっか。なら、明日の朝にはやてに話しておかないとな」

「はやてちゃんに・・・
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