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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第89話:高町1尉も退院
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室のドアを開けて通路に出る。

「え?あ!ちょっと!」

後ろからなのはの抗議の声が聞こえてくるが、ここは無視だ。
そのままなのはの手を引いてエレベータに向かう。
エレベータホールについてボタンを押したところでなのはが
強引に俺の手を振り切った。

「もうっ!ちょっと強引すぎるよっ!」

そう言ってなのはは俺の顔を軽く睨む。

「だって、あのままだったらいつまでたっても出られなかったろ。
 なのはが悶えてるせいで・・・」

俺がそう言うと多少ひるんだのか、なのはの表情が少し弱気なものに変わる。

「そ、そうかもしれないけど。でも、お化粧直したりしたかったのに・・・」

その時ポーンと音が鳴って1基のエレベータのドアが開く。

「ほら、行くぞ」

「うん・・・」

誰も乗っていないエレベータになのはと並んで乗り込むと
俺は1階のボタンを押す。
ドアが閉まって2人だけの空間が出来上がった瞬間に、俺は
隣に立つなのはに話しかける。

「あとひとつ言っとくけどな」

「え?」

急に声をかけられて驚いたのかなのはが俺の方をパッと見上げる。
が、俺は前を向いたまま話を続ける。

「なのはは化粧なんかしなくても十分美人だからな」

「へ?」

ちらっと見るとなのはがぽかんと口を開けて俺の顔を見上げていた。

「美人・・・って、・・・ありがとっ!」

そう言ってなのはは荷物を持っていない方の俺の腕にしがみつく。

「言っとくけど、すぐエレベータのドアが開くぞ」

「いいよ・・・だって、ゲオルグくんは私の恋人だもん」

「そうでしたっけ?」

「何?私の唇をあんなに激しく奪っておいて、シラを切るつもりなの?」

そう言うとなのははスッと目を細めて俺の腕にしがみつく力を少し強める。

「イテテ・・・ほんのささやかな冗談だよ」

「そういう冗談はやめてほしいの」

「心得ました」

俺がそう返すとなのははニコっと笑う。

「なら結構」

その時、エレベータが1階に到着しドアが開く。

「行こっ!」

そう言うなのはに引っ張られるようにして、俺となのはは腕を組んだまま
エレベータを降りると駐車場の俺の車に向かって歩き出した。



・・・1時間後

「おかえり!なのはちゃん」
「退院おめでとう。なのは!」

「ありがとう!はやてちゃん、フェイトちゃん」

俺の目の前には、手を取り合ってなのはの退院を喜び合う3人の姿がある。
俺の車でアースラに戻った俺となのははすぐに艦長室に向かった。
で、今目の前のような状況になったわけだが・・・。

(俺・・・ひょっとして蚊帳の外ってやつですか?)

除け者にされたよ
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