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タブーの壁
第三章
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「おい、それおかしいだろ」
「弁護に個人的関係持ち込むなよ」
「私情もな」
「こんなのどの仕事でもだろ」
「自分から申し出たって何だよ」
「それ自分で言うか?」
「頼まれても断るだろ普通」
 ネット上で多くの者が話した。
「何考えてるんだ」
「この弁護士おかしいだろ」
「調べたら実行犯と大学時代からの友達らしいぞ」
「過激派仲間だったらしいぞ」
「とんでもない奴だな」
「過激派同士のつながりか」
「公安こんな奴野放しにしてるのか?」
 こんなことが言われた、そしてだった。
 譜久島はネット上でとんでもない輩だという評価が定着してそうしてだった。
 この弁護は失敗し彼女の友人だったテロの実行犯はその行為で何人も殺害しており反省もしていないことから死刑判決を受けた、控訴は受け入れられたが判決が覆らないことは誰の目にも明らかだった。
 それを見てだ、聖子は今回は彼女の親戚のことで依頼をしてきた由紀に話した。仕事ぶりが好感を受けて由紀は何かあれば彼女に頼む様になっていたのだ。
 その仕事の中で共に昼食を摂っている時に話したのだ。
「いえ、幾ら何でもです」
「個人的な関係や私情をですね」
「仕事に持ち込むことはです」
 海老フライ定食を食べつつハンバーグ定食を食べている由紀に話した、二人用の席に向かい合って座っているので実に話あしやすい。
「法律関係では、そして」
「どのお仕事でもですね」
「タブーです」
「そうですよね」
「縁でお仕事はありますが」
「そこにプライベートが穿いr津緒ですね」
「そうなりますと」
 どうしてもというのだ。
「それで、です」
「問題になりますね」
「私はそう思います」
「私もです、ましてやですね」
「今回はテロリストですから」
 その行為で何人も殺害したというのだ。
「尚更です」
「常識も疑いますね」
「テロリストと直接の友人であることも隠していません」
「もう何もかもがですね」
「常識がなさ過ぎて」
 それでというのだ。
「私達同業者にしましても」
「呆れていますか」
「こうなってはいけないと」
 その様にというのだ。
「考えています、法律に触れているかいないかも大事ですが」
「常識、そしてタブーもですか」
「触れてはいけません、タブーの壁を超えますと」
「人としての」
「もうそれで、です」
 その時点でというのだ。
「人としてです」
「おかしいのですね」
「そう思います」
 こう言うのだった、そしてだった。
 聖子はご飯を食べた、そのご飯は美味かったが。
 語っていることに対してはまずく感じた、そして聖子はそのまずさを忘れられなかった。それも一生だった。


タブーの壁   完


            
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