六十九 形勢逆転
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定治療を施してくれたアマルのおかげで意識を取り戻した自来也は、すぐさま蛙を口寄せした。
口寄せした蛙の口の中に潜み、大蛇丸のもとへ向かう。
そうして足場を失い、ペイン達が落下している隙に、新たに口寄せしていた大蛇丸の蛇の口の中へ蛙ごと隠れ潜んでいたのである。
【螺旋丸】で退場したペインが身動ぎしないのを確認して、自来也と大蛇丸は口を揃えた。
「「これで…!残り二人…ッ」」
大蛇丸の傍らで気絶していた自来也の身体がぼうんっと白煙となって消える。
影分身を変化させて自来也が戦闘不可であるように見せかけていたのだとようやく気づいて、最初は六人だったペインは、ふたり、苦虫を?み潰したように三忍ふたりを仰いだ。
「これでようやく…」
「五分と五分…じゃのうっ!」
蛇の尾を滑るように駆け抜ける。
口寄せした蛇を従えてペイン一体を追い込む大蛇丸と、長い白髪を術で自在に操り、もう一体のペインを追い詰める自来也。
双方は注意を敵に向けながらも、考えることは今、この時、一緒だった。
(何年ぶりかのう…コイツと一緒に闘えるのは)
(癪だけど、私と肩を並べられるのはコイツしかいないわね)
互いに互いの弱点を補い、長点を活かし、阿吽の呼吸で共闘する。
それは長年インターバルがあったようにはとても思えないほど息が合っていた。
ペインと攻防戦を繰り広げていた自来也と大蛇丸は、隙を見て背中合わせになる。
周囲を警戒しながら大蛇丸は「死体をよく扱っていたからわかるのよ」と小声で囁いた。
「あれは生きてる人間じゃないわ」
「お前も気づいたか」
ペインに潰された喉がアマルのおかげで治った自来也もまた、大蛇丸の意見に同意する。
だがその返事が思いもよらないものだったのか、大蛇丸は「あら。気づいてたの」と無遠慮に驚いてみせた。
「綱手ならまだしも、鈍感なアンタのことだから全く気づけてないと思ったわ」
「わしを馬鹿にしすぎだのう!……大体、綱手とてわからんぞ。ああ見えてアイツも抜けてるところがあるからのう」
鈍感呼ばわりされ、唇を尖らせる自来也に、大蛇丸は呆れたように頭を振った。
「アンタそれ、綱手に言ったら昔みたいに腹パン喰らうわよ」
「…綱手には黙っておいてくれ。またアバラ折られるのは勘弁だのう」
「また、って最近もアバラ折られてるわけ?いつか胴体に穴開くわよ」
「……その前に上半身と下半身が分断されるかもしれんな」
「………………綱手ならありえるから怖いわね」
背中合わせで軽口を叩き合う。
ペインからの攻撃を避けながら、自来也と大蛇丸は「とにかく」と血の気の通っていないペインの残りの面々に視線を奔らせた。
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