第二章
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「ああなった」
「革命になったわね」
「そしてソ連になったが」
ロシア革命の結果としてだ。
「あのスターリンもな」
「お酒は規制しなかったわね」
「色々やったが」
そのことであまりにも有名な人物である。
「しかしな」
「それはしなかったわね」
「だがゴルバチョフはやった」
ソ連最後の書記長であり最初で最後の大統領だった彼はというのだ。
「酒を飲むな働けと言ってな」
「急に支持が落ちてね」
「倒れた、何故彼が人気がないのか」
ロシアでは極めて不人気な人物である。
「ソ連を崩壊させたからだが」
「その崩壊の原因はというと」
「彼はそう言ったからな」
「お酒を飲むなね」
「恐ろしい発言だ」
ジョッキのワインをジュースの様に飲みつつ言う。
「この国においてはな」
「他のことは我慢出来ても」
「弾圧もものがないこともな」
「ロシア人は我慢出来るわね」
「そんなことはしょっちゅうだしな」
ロシアの歴史ではというのだ。
「革命の時も戦争の時もな」
「戦争が終わった後もね」
「餓死者さえ出ていた」
そのどの時期もだ、ドイツ軍の捕虜の扱いの悪さは有名だが実は食事は人民への配給と同じ量であった。
「そうだったからな」
「それではね」
「多少以上のことはな」
「ロシア人は我慢出来るわ」
「しかしだ」
「お酒のことは」
「無理だ、これは政治的な話だが」
それでもというのだ。
「酒、エチルアルコールはな」
「必要なのね」
「ロシアにはな、それで科学的に言うとな」
こちらに話を戻してきた。
「酔わせ血流をよくしてな」
「眠気も誘うのね」
「過ぎると健康を害してな」
このことも言った。
「また気分もな」
「よくしてくれるわね」
「そうだ、だからだ」
そうしたものだからだというのだ。
「わしもだ」
「飲むのね、というかね」
妻はここでこう夫に返した。
「あんた好きなのよね」
「酒がか」
「結婚して三十年経つけれど」
それでもというのだ。
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