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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第87話:隔離施設
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生プログラムを受けるのか?」

「さあ?聞いてへんけど・・・」

しばらくはやてと窓越しに様子を見ていると、ギンガが俺達に気づいたのか
小さく手招きをしていた。

「ん?ギンガが入って来いって言うとるで。入ってみよか」

俺ははやての言葉に頷くと、窓の横にある扉を開けてサンルームの中に入った。
芝を踏みしめながらギンガ達の方に向かって歩いて行くと、モニターの方を
見ていた戦闘機人の一人が足音に気付いたのか俺達の方を振り返った。

「あっ!はやてっス」

俺たちの方を見たピンク色の髪を後ろでまとめた戦闘機人が声を上げる。
すると、他の戦闘機人やルーテシア達も俺たちの方を振り返る。
そしてお互いに近くの者と俺たちの方を見ながら話し始める。

「ほら!まだ終わってないでしょ。きちんと聞いてちょうだい!
 すいません、まだ途中なのでしばらく後の方で待ってて下さい」

前半は戦闘機人たちに、後半ははやてと俺に向かってギンガが言う。
すると、戦闘機人たちは不承不承だったり、黙っておとなしくだったり
それぞれではあるが、モニターの方に向き直り、ギンガの話を聞き始めた。

俺とはやては、少し離れたところで芝生に腰を下ろすと、
ギンガと戦闘機人たちの様子を眺めながら待つことにした。
聞こえてくるギンガの声を聞く限り、善悪の判断についての
話をしているようだった。

「善悪判断・・・か。ちょっと胸に刺さる部分があるわ・・・」

はやては足をだらりと前に投げ出して、手を後ろにつくと天井のガラス越しに
見える空を見上げて言った。

「同感・・・。あ、人を騙すようなことはしてはいけません、だって。
 マジで刺さるわ・・・」
 
俺は芝生の上であぐらをかくとギンガたちの方を見ながらそう答える。

「なあ、ゲオルグくん。私らの義務と責任って何なんやろか・・・」

「そうだな・・・」

俺はそう言って少し考え込む。

「法的に言えば、次元世界の平和と安定を維持すること。なんだよな」

「そらそうや。そのために力を尽くしますって宣誓したもん」

「で、はやてさんはそういう答えを求めてるんではない・・・と」

そう言うと、はやては真剣な顔で頷いた。

「私らは今回の件を調査する過程で何回か法によって許された権限を超えた
 行動をとったわけやんか。公式にはお咎めなしって結果にはなってるんやけど
 どうも、私のなかで消化しきれん部分があるんよね」

「判るよ。でもまあ、結局のところ最後は自分自身の良心が
 拠り所になるんじゃないのか?」

「良心・・・か。そうかもしれんね・・・」

はやてはそう言うと大きくふぅっと息を吐くと、芝生の上に寝転がる。

「私は自分の良心に
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