第一章
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妖々夢
澄田愛生は最近よく夢を見る、その夢はどういったものかというと。
「えっ、今度はそうした夢だったの」
「そうよ、何でか私が魔法使いでね」
愛生はクラスメイトの涌井美菜子に話した、愛生は一七〇程の背で顎の先が尖った顔の形で鼻は高めだ。大きめの垂れ目でにこにことした表情で耳は大きい。対する美菜子は黒髪を長くしていて大きな切れ長の目と奇麗なカーブを描いた細い眉に整った口元でやや面長の顔で背は一五八位ですらりとした感じの奇麗なスタイルだ、二人共ダークグリーンのブレザーにグレーのミニスカートに赤いネクタイという通っている高校の制服である。
「ローブに三角帽子で」
「まさに魔法使いの恰好ね」
「それで触手になのよ」
「ああ、遂にそれが出て来たのね」
美菜子は話を聞いてこう返した。
「何時かはって思ってたわ」
「そうなの」
「だってオークに悪魔にね」
「サキュバスの同性愛に」
「そうきたらね」
「今度はなのね」
「触手かしらってね」
その様にというのだ。
「思ってたのよ」
「そうしたらなのね」
「来たわってね」
「思ったのね」
「ええ、そうよ」
「しかしオークの時は村娘で」
愛生は考える顔で言った、二人で校舎の屋上で共に昼食を食べつつ話している。二人共パンに牛乳である。
「悪魔の時はお姫様で」
「それでサキュバスの時は女戦士ね」
「女神官の時はゴブリンだったかしら」
「色々なシチュエーションね」
「ええ、けれど何でかしら」
サンドイッチを食べつつ考える顔で言った。
「私そうした夢ばかり見るのかしら」
「それは謎ね」
「全部ファンタジーじゃない」
「現実じゃなくてね」
「しかもエロ」
愛生は一言で言った。
「それだから」
「あれじゃない?欲求不満」
美菜子は愛生に素っ気ない口調で言った。
「それじゃない?」
「欲求不満?」
「それじゃない?」
こう言うのだった。
「高校生だとね」
「そうしたことに興味があって?」
「そう、それでね」
「そうした夢見るの」
「そうじゃないの?」
「それなら普通の夢でしょ」
愛生は美菜子に返した。
「高校生活でね、相手もね」
「そちらもなの」
「普通に同級生とかでしょ」
「それがオークとか悪魔とか」
「触手とかってね、サキュバスなんて」
そうした相手が夢に出ることはというのだ。
「リアルじゃないでしょ」
「完全にファンタジーね」
「何でなのよ」
食べつつ首を傾げさせつつ話した。
「私最近そんな夢ばかり見てるのよ」
「それがなのね」
「不思議よ、訳がわからないわ」
「この世は仮初、夢こそが現実」
美奈子はぽつりとした感じで述べた。
「江戸川乱歩さ
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