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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第85話:B・R
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ものだぞ」

俺の言葉にヴィータが頷く。

「だな。いきなり三つ巴の戦いになるっつーことか・・・」

「で、不気味に沈黙を守るキャロ・・・か。キャロはエリアサーチで
 3人が戦闘状態に入りつつあるのは把握してるだろうしな」

「キャロはなんで動かねーんだろうな?」

ヴィータは首を傾げながら俺の方を見る。

「キャロはフリードに乗っかれば移動速度も速いし、攻撃力も高い。
 でも、必然的にあのでかい図体をさらすことになるからな。
 他の連中から見ればいい的になる。
 だから最初は身を隠すことを選んだんだろうな。
 幸いなことに、あいつは自分で敵を察知できる能力もあるし」

「で、他の3人が戦い疲れてきたところを一網打尽・・・か。
 侮れねーな」

ヴィータはそう言ってビルの一室で蹲っているキャロの映像に目を向ける。

「いや。俺ならもっと手っ取り早い手を考えるね。条件次第だけど」

俺がそう言うとヴィータはバッと俺の方を振り返る。

「そりゃどーゆー手だ?」

「安定してヴォルテールを召喚できるなら、3人が戦闘状態に入った瞬間に
 ヴォルテールを召喚して、一気に薙ぎ払う」

「うわ・・・反則くせー。さすがは6課イチの反則ヤローだな・・・」

ヴィータはそう言って嫌なものでも見るような目を俺に向ける。

「そんなに褒められたら照れるじゃねえか」

俺が冗談めかしてそう言うと、ヴィータは本気に取ったのか
呆れたように俺を見る。
俺は、さすがにそんな目線に耐えられなくなり、一度咳払いすると
真剣な表情を作る。

「ま、キャロがそんな手を使うとは思えないけど・・・って、
 2人がティアナの観測網にかかったな」

「ホントだ。お、ティアナが幻影を使いだした・・・」

モニターに映るティアナの本体は全く動いていないが、
接近してくる2人に合わせるかのように、その進路上に
ティアナの幻影が姿を現し、幻影が射撃を始める。

「・・・俺んときと同じ手か・・・」

「ゲオルグんとき・・・?」

何を言っているのか判らないのかヴィータはまた首を傾げて俺を見る。

「前にティアナとマンツーマンで訓練してた時期があったろ。
 そんときの模擬戦で一回使ってきたのと同じ手だな」

「ふーん・・・」

「でも、あの射撃は通常のよりも威力が半減くらいなんだよ。
 だから牽制くらいにしかならないし、幻影だってバレる可能性もあるんだ」

「じゃあ、ダメじゃねーか。なんのためにそんなめんどくせ―ことしてんだ?」

「ああいうのの目的は行きつくところ一つだよ」

「は?なんだよ、その目的って」

「相手の行動を自分の思い通りに誘導することだ」

ヴィータ
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