第一章
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ネットだと地元でなくても
根室千佳は神戸市長田区八条町に住んでいる、関西在住であるが応援している野球チームは広島東洋カープである。
それで家でも学校でもだ、一日最低でも一度は愛するカープの話をするが。
ある日学校でクラスメイト達にこう言われた。
「千佳ちゃんカープのこと詳しいね」
「もう何でも知ってる感じよね」
「物凄くマニアックなことまでね」
「選手の人がどんな趣味かも」
「それぞれ知ってて」
「それで広島のことにも詳しいわね」
「広島に住んでるみたいに」
こう千佳本人に言うのだった。
「神戸に住んでるのに」
「広島に行ったことあるって聞いたけれど」
「それも何度も」
「けれど物凄く詳しくて」
「広島の人みたいよ」
「そこでカープ応援しているみたいよ」
「だって私カープ愛してるのよ」
真顔できりっとしてだ、千佳は小学校のクラスメイト達に宣言した。
「愛しているのならね」
「何でも知ってるの」
「カープのこと」
「地元だって」
「住んでいないのに」
「それでもなの」
「ええ、月刊カープ毎月読んで」
愛読書であることは言うまでもない。
「ネットでも調べてるしね」
「カープのことをなの」
「そうしてるの」
「ネットで検索したりもして」
「そうよ、カープに関係ある場所なら」
それこそというのだ。
「広島市のことも調べてるわよ」
「そうしてるのね」
「やけに詳しいと思っていたら」
「まるで住んでるみたいだって思ってたら」
「ネットで調べてなの」
「知ってるの」
「私確かに神戸に住んでるけれど」
このことは事実だがというのだ。
「けれどね」
「それでもなのね」
「インターネットがあったら」
「そういうことも調べられて」
「頭に入れられるのね」
「そうよ、確かに将来は広島に住みたいけれど」
カープファンとして純粋に願っていることである。
「けれどね」
「それでもなのね」
「神戸に住んでいても」
「それでもなの」
「ネットで調べていたら」
「広島のことも知られるのね」
「ええ、ただね」
ここでだ、千佳は。
眉を顰めさせてだ、こう言ったのだった。
「お兄ちゃんは西宮にしょっちゅう行ってね」
「ここから甲子園まで自転車で行って」
「それでよね」
「長田から西宮って滅茶苦茶距離あるけれど」
「自転車飛ばして甲子園まで行って」
「それで阪神の試合観戦してるのよね」
「あの知識には負けないわ」
劣るだの負けるだのは言わなかった。
「いつも阪神と西宮のこと言うけれどね」
「負けてたまるかなの」
「西宮しょっちゅう行くお兄さんには」
「そう思ってるの」
「ペナントでも負けないから」
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