第一章
[2]次話
捌ける義妹
ある日のことだった。
大坂住吉の夫の実家でサラリーマンの夫の孝介と共に暮らしている樋笠曜子面長で小さな目と黒いロングヘアに一五五位の背とすらりとしたスタイルの彼女は。
近所に住んでいる夫の弟夫婦が生の鯛や伊勢海老を持って来たのを見て驚いた。
「生来てるものなの」
「はい、新鮮なのが一番と思いまして」
「実家に帰った時にご馳走しようと思ってです」
眼鏡をかけた公務員の黒髪の丸い顔の一七五位の背の義弟の隆志夫そっくりの彼も彼の妻の花楓長方形の顔できりっとした顔立ちで太い眉に茶色にした髪の毛を後ろで束ねている一五七位の背の結構スタイルのいい彼女も笑顔で言った。
「それでなんです」
「黒門で買ってきました」
「そうなの。ただ生って」
曜子はこのことに驚いて言った。
「私捌けないわよ」
「そうだよな、母さんもな」
夫も言ってきた。
「今腕の調子よくないしな」
「身だけなら私も捌けて」
「今の母さんも大丈夫だけれどな」
「生きたままだと」
「ちょっとな」
「そうなんですか、困りましたね」
花楓は二人の言葉を聞いて困った顔になって応えた。
「実は私も生きたままだと」
「そうだったの」
「はい、お義母さん前に生きた鯉捌いてましたし」
「今お義母さん右手の調子リウマチでね」
「悪いからですか」
「お義父さんは肉料理は出来るけれど」
「生きた魚介類はですか」
花楓も察して言った。
「困りましたね」
「何処かに頼んで捌いてもらおうか」
夫は曜子に言った。
「折角買って持ってきてもらったし」
「って何処に?」
「そう言われても」
夫は妻の問いに困った顔で応えるだけだった、だが。
スーパーで働いている夫の妹で隆志の姉である澄花義母に似て顎の形がいいすっきりした顔で細く長い眉と二重の切れ長の目と赤い唇が奇麗な黒い髪の毛を後ろで束ねた一六四程の背のスタイルのいい彼女が帰ってだった。
四人から事情を聞くと花楓に尋ねた。
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