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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第82話:急転直下
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「はは・・・了解。それまでは、シンクレアをこき使ってくれや」

「大丈夫。もうこき使ってるから。な、フェイトちゃん」

「え?う、うん。シンクレアには私と一緒に捜査資料の整理とか分析を
 やってもらってるんだ」

「そうなのか。ま、あいつも情報部だからそういうのは得意だからな」

「そ、そうなんだ。私もすごく助かってるんだよ」

一見何でもないやりとりではあるが、俺はフェイトの様子に
わずかな違和感を感じる。
どうも先ほどからちょくちょくどもっている。
が、とりあえずはどうでもいいことかと俺は考えることを放棄した。

「なら結構なことだな。じゃあ、またな」

「うん。またお見舞いに来るわ」

「へいへい。今度は何か旨い菓子でも頼むわ」

「りょーかい。ほんならねー」

俺は2人を見送ると、日の傾きかけたクラナガンの町並みに目を向ける。

「さてと、それじゃあ我が娘の寝顔でも見にいきますか」

俺は屋上から降りて、ヴィヴィオが入院している部屋に向かった。



ヴィヴィオが入院している病室の前につくと、俺は控えめに扉をノックする。
中から女性の声で、どうぞと返って来たのでそっと扉をあける。
中に入ると、寮母のアイナさんが出迎えてくれた。

「アイナさん?なんでこんなところに」

「ゲオルグさんも、なのはさんも入院して動けないですし、
 フェイトさんはお仕事が忙しくてなかなか来れないということなので
 私が、ヴィヴィオの面倒を見るって買って出たんですよ。
 ほら、隊舎があんなになって仕事がないので暇でしたから」

「そうだったんですか・・・。お手数をおかけしてすいません」

「いえいえ。それよりヴィヴィオに会いに来られたんですよね。
 今は寝ちゃってますけど、寝顔だけでも見て行かれますか?」
 
「ええ、そうさせてもらいます」

ベッドのそばに寄ると、穏やかな顔で眠るヴィヴィオの顔が見えた。
俺はアイナさんが勧めてくれた椅子に腰を下ろすと、ヴィヴィオの顔を眺める。

「ゲオルグさん。私ちょっと売店のほうにいってきますので」

「あ、はい」

俺が返事をすると、にこやかにお辞儀をして病室を出て行った。

(気を使ってくれたのかな・・・)

俺は再びヴィヴィオの寝顔を眺めはじめた。

「ごめんなヴィヴィオ。パパが頼りないばっかりに辛い目に遭わせちゃって」

俺はそう呟くと、ヴィヴィオの綺麗な金色の髪を撫でる。
しばらくそうしていると、突然ヴィヴィオの目がパチっと開いた。

「んっ・・・ぱぱ?」

「あ、ヴィヴィオ。ごめんな、起こしちゃったか」

「パパっ!」

ヴィヴィオはそう言うと俺の首に飛びついてきた。

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