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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第81話:屋上の密談
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で頷く。

「そこはよう口出しせえへんねんけど・・・。私見を言わせてもらうとな、
 ゲオルグくんは自分のやったことに対して自分自身に責任を
 被せすぎなんちゃうかなと思うわ」

「どういうことだよ?」

「だって、私らって時空管理局っていう組織の歯車として動いてるわけやろ。
 その中には、なのはちゃんみたいに人を育てるのが役割の人もおれば
 ゲオルグくんみたいに暗殺とかをやるのが役割の人もおるわけやんか。
 で、それぞれの個人にどの役割を割り当てて何をやらせるかっていうのは
 組織の論理なわけやん。
 そこで起こったことに対して個人が100%の責任を負う必要は
 まったくないと思うんよ。
 まして、課せられた役割を果たすためにやったことならなおさらな」

「はやての言ってることは理解できるつもりだよ。でも・・・」

「感情がついていかへんのやろ?」
 
俺が頷くと、はやては雲ひとつない青空を見上げる。

「難しい問題やとは思う。けどな、例えば私の出身世界では犯罪者に対する
 死刑制度があるんよ。じゃあその死刑を執行する人って、その罪を背負わな
 あかんのやろか。もっと言えば、戦争で人を殺したらその罪を背負わな
 あかんのやろか。私は違うと思うねん」

「はやて・・・」

俺がはやての方に顔を向けると、はやては俺の肩に手を乗せてにっこりと笑う。

「まあ、それでもゲオルグくんが自分を許されへんのやったら私が許したる!」

「ありがと・・・はやて」

目の前のはやての顔が滲んでいく。

「なんやねん。ゲオルグくんは泣き虫やなあ。ええよ。
 私でよかったら肩くらい貸したるから」

はやてのその言葉をきっかけに俺ははやての肩に顔を押し付けて泣いた。



しばらくして、俺が落ち着くとフェイトがハンカチを差し出してきた。

「悪い。みっともないところを見せて」

「いいよ。友達でしょ」

俺は、フェイトのハンカチで涙を拭くと両手で自分の頬をパンと叩いた。

「もう、自分の過去のことで悩むのはヤメた!
 ありがとな、はやて、フェイト」

「ええって」

「私はハンカチを貸しただけだし」

2人は柔らかな笑顔をで俺を見ていた。つられて俺も笑顔になる。

「さて、今日の話は以上?」

俺がそう言うと、はやてとフェイトは急に表情を曇らせてお互いの顔を
見合わせる。
そして、はやてが俺に向かって真剣な表情を向けた。

「ゲオルグくんが大丈夫ならもう少しええかな?」

「まだあるのか?」

「あと2つほど」

「盛りだくさんだな、で?」

はやては一度大きく深呼吸すると、俺の顔を見る。

「ほんならまず1つ目な。
 結果だけ
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