マゼンタの戦士
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でグールたちを蹴散らしていく。
「よし、私も!」
可奈美の千鳥が、太陽光を反射させる。
そのまま、刀使の素早さで、次々とグールたちを切り刻んでいく。
「おのれ……かかれ! かかれ!」
ファントムはグールたちにさらに命令する。
動きが鈍いものの、グールたちの槍は確かに脅威。だが、そんなグールたちの背後に。
巨大な桃色の花が咲いた。
「勇者パアアアアンチ!」
その声とともに、グールの群れが砕け散る。
そして、可奈美と響の前に着地していたのは。
「「友奈ちゃん!」」
桃色の独特な衣装を身に纏った、ポニーテールの少女、結城友奈。彼女は地面に拳を埋め込んだ体勢から立ち上がり、可奈美たちへ声をかける。
「ラビットハウスへ向かってたら、なんかすごいことになってたよ!」
友奈はそう言って、グールたちとの戦いに参加する。
卓越した武道の動きで、次から次へとグールたちを薙ぎ倒していく。
「可奈美ちゃん、一体どうなってるの!?」
「説明は後だよ! まずはファントムたちをやっつけよう!」
「了解ッ! 可奈美ちゃん、グールたちはわたしと友奈ちゃんでッ!」
グールを他のグールたちへ投げつけた響が叫ぶ。
友奈は頷いてそれに応じ、可奈美へ頷いた。
「うん、ファントムは私が!」
可奈美は敵の中心であるファントムへ千鳥の刃先を向ける。
だが。
「ファントム……ね」
あの食い逃げの青年が、胸元のカメラでファントムを撮影している。数回シャッター音が鳴り、やがてポケットに再び手を入れる。
「危ないですよ!」
「友奈ちゃんッ! その人は……」
「その人を安全なところに! あ、でもできれば私の目が届くところに!」
割って入って来たグールを叩き切りながら、可奈美は叫ぶ。
だが青年は、逃げるどころか逆に戦場の中に歩いてきた。時折近づくグールたちがいるが、それに対しては蹴りで距離を引き離し、やがてため息を付いた。
「ファントム……強力な魔力を持つ人間、ゲートが絶望した時、その全てを喰い尽くして生まれる怪人……」
「危ないですよ! 逃げて下さい! あ、でもやっぱり逃げないで! お金払って!」
青年は鼻で笑い、そのまま慣れた手つきで、上着の中から何かを取り出した。
彼が懐から取り出すのは、ピンク色のカメラ型のもの。複数の紋章が円形に刻まれたそれを腰に当てると、その端より長い帯が生えてくる。それは腰を一巡し、ベルトとなった。
「え?」
「何あれ……?」
「ベルト?」
可奈美、響、友奈は口々に疑問を浮かべる。
だが青年は構うことなく、どこからかカードを取り出した。上下にバーコードが記されたカード。
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