第二章
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「そう、可愛いとそれだけでね」
「危ないの」
「おかしな人がいるのよ」
世の中にはというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「色々気をつけてもらってるのよ」
「しかもよ」
今度は早紀子が言ってきた、目玉焼きを食べつつだった。
「あんたお店で看板娘でしょ」
「だからなの」
「そう、可愛い娘いたら注目されて」
「お客さん来るのね」
「だからあんたにも働いてもらってるのよ」
「そうなのね」
「けれどお店の看板娘として有名になったら」
それならというのだ。
「そこでまた変な人にね」
「目をつけられるのよ」
由以子が言ってきた。
「そうしたものだからよ」
「いつもなのね」
「私達も気をつけてるし」
「私もなのね」
「言ってるのよ」
「いつも」
「そうよ、可愛いなら」
それならというのだ。
「看板娘になってお店の売り上げにもね」
「なるのね」
「そうなるけれど逆によ」
「変な人にも注目されるから」
「好きになられて告白ならいいわよ」
それならというのだ。
「けれど変質者ならね」
「怖いから」
「防犯ブザーとかも持たせて」
いざという時に備えてというのだ。
「一人にさせないしね」
「お巡りさんに言うこともなのね」
「してるのよ」
「三人しかいないのよ」
早紀子は真剣な顔で言ってきた。
「私達はね」
「家族は」
「それで何かあったらって思ったら」
美佐子にその顔でさらに言った。
「嫌だから」
「私になのね」
「言ってるし私達も注意してるしこれからもね」
「送り迎えもなの」
「するわよ、三人しかいないから」
自分達はというのだ。
「これからもよ」
「他のことでも何かあったら言いなさい」
由以子も真剣な顔で言ってきた。
「お姉ちゃん達にね、いじめとかでもね」
「何かあったら」
「そう、何でもね」
こう言うのだった。
「言いなさいね」
「そうよ、言ってよ」
今度は二人で言ってきた。
「相談しなさいね」
「何でも力になるから」
「これからも三人でよ」
「生きていくわよ」
「それじゃあ」
姉達の言葉に頷いてだった。
美佐子は姉達と仲良く一緒に暮らし店でも働き用心もしてだった。
何かあると話した、そのうえで幸せに過ごしやがて進学と結婚もした、三姉妹はそれぞれ家庭を持ってからも店で一緒に働き幸せに暮らした。
看板娘だから 完
2023・2・18
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