吉報編 旅の終わりを見届けた者達
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でいる彼女達の言葉に深く頷き、ソランは愛する妻と子を守り抜く決意を固めている。
「……へへっ。こりゃあ、こんなところでジッとしてるわけには行かなくなっちまったなぁ。よぉし、行こうぜリルスッ! クサンテへの御祝儀は、ユベルブ公国のお城まで直接届けてやろうッ!」
そして――砂漠の大都市ロックラックを中心に活動していたバンホーの元にも、同期の「引退」を報せる手紙が届けられていた。その内容を目にした竜人族の青年は「善は急げ」と言わんばかりに、相棒である漆黒のリオレイアの背に跨り、遥か彼方の大空へと飛び立って行く。
――彼ら「宝玉世代」のハンター達の元へと届けられた、クサンテ・ユベルブとデンホルム・ファルガムからの手紙。そこには、アダイト・クロスターことアダルバート・ルークルセイダーとの「御成婚」を報せる内容が綴られていたのである。
愛する人の敵討ちを目指していた「イノシシ姫」の英雄譚は、予期せぬ形でハッピーエンドを迎えていたのだった。
◇
「……ふっふーん」
そして、その終幕の裏側では――観測拠点エルガドを中心に活動していた1人の美少女ハンターが、単独での大連続狩猟に挑もうとしていた。
可憐な容姿とは裏腹な実力を持つ、小悪魔な双剣使い。そんな彼女は城塞高地の戦場へと足を踏み入れ――可愛らしい顔立ちに反した、妖艶な笑みを浮かべている。
彼女の素性を知らぬ者ならば、止めようとしていただろう。だが、彼女のことを知っている者ならば、そんな愚行は決して犯さない。そしてエルガドに居る者達の中に、彼女の正体と実力を知らない者など居ないのだ。
「さぁ……ここからが本当の始まりですよぉ。『伝説世代』でも『宝玉世代』でもない……そんな総称で括られたりなんかしない、唯一無二の英雄。ミーナ・クリードちゃんの英雄譚は、ここから始まるのですっ!」
「伝説世代」最強の狩人と恐れられた、ディノ・クリード。その羅刹と同じ血を引くミーナ・クリードは、鬼人と化して双剣を引き抜くと――「獲物」である大型モンスター達へと、容赦なく襲い掛かって行くのだった。
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