変な客
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。認めようよ、どんな状況も。ボクはワックワクのドッキドキで楽しみだよ!』
そう、声なき声で口々に返答するのは、三体の小さな妖精たち。
それぞれ白い体が特徴だが、その詳細は全く異なる。
猫かウサギのような、桃色の差し色の妖精。
ネズミ国のような頭部が、体より大きな妖精。
左右それぞれ白と黒に分かれた、クマの妖精。
『単純に、聖杯がその存在を必要と判断しただけだよ』
それは、三体の中心にいる猫の妖精が答えた。
キュゥべえ。
この聖杯戦争に、多くの参加者を招き入れたその妖精は、その大きな尾を捻らせた。
『どうやら戦わない選択をしようとする参加者が増えているようだからね……』
『うぷぷ。君たちが参加者を見る目がないからだよ!』
そう、他の妖精をからかうのは、白黒のクマの妖精。
名は体を現わす。その体にそぐわぬモノクロのクマ、モノクマの名を持つその妖精は、口を大きく広げて笑い出す。
『ボクの参加者は、みーんなしっかり殺し合ってるよ! 何人かは、順調に参加者殺戮数上位に躍り出てるよ!』
『すげえな先輩……』
自慢気なモノクマへ、ネズミ国を連想させる妖精は横目を向けた。
『ま、戦わねえ参加者はオレ様が順次粛清しているけどよ……にしても、まだ参加者増えるのか?』
『君も分かっているだろう?』
キュゥべえの最後の一言。それで、コエムシは押し黙る。
キュゥべえはそうして、男へ向き直った。
『ルーラー。君は、今回の聖杯戦争における調停役だ。便宜上僕がマスターという形になるかな』
「ふん」
ルーラーと呼ばれた男は、カードを次々に手にとっては机に戻していく。
「セイバーにバーサーカー、アサシン……召喚される時、聖杯戦争のルールは頭にインプットされたが……有用なクラスも脱落が多いようだ……ん?」
ふと、ルーラーはそのカードに手を止めた。
それは、執事服を着た悪魔が描かれていた。その背中には白い翼が生え、内側が赤いローブを着こなしている。そのクラスを表わす足元に書かれていたのは。
「プリテンダー?」
『そんなサーヴァント見出してたか?』
コエムシの疑問に、モノクマは首を傾げた。
『ボクはそんな憶えはないよ? キュゥべえ?』
『……いや。僕でもないね』
『またセイバーの時みたいに、オレ様たちが見出すよりも先に召喚までやっちまったのか?』
コエムシの声をキュゥべえは無視し、改めてルーラーに命令する。
『ルーラー。聖杯戦争の調停者として、君に命令しよう。そのプリテンダーというサーヴァントを調べてくれ』
見滝原大学の象徴的な存在。
それは、入口近くにある時計塔である。
神聖な雰囲気を醸し出す時計塔だ
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