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Fate/WizarDragonknight
変な客
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して。

「……あれ? もしかしてこれ、意外とあり?」
「うんッ! コーヒーの苦みが、ぎゅぎゅってされてる!」
「さすがは俺。どんなコーヒーでも最高の一品に仕立て上げる」

 青年はそう言いながら、予めポッドにあったコーヒーを淹れる。
 それを口にすると、驚いた表情を浮かべた。

「……これ美味いな」
「あ、それはこのお店のマスターが淹れたコーヒーです」
「マスター……香風タカヒロか?」
「知り合いですか?」
「……ふん」

 青年はコーヒーを飲み干し、シンクにティーカップを入れる。

「ま、俺の方が上手く入れられるがな」

 彼はそのまま、可奈美へ手を振りながらラビットハウスを出ていく。
 可奈美はそれを見送りながら、少しずつキャラ弁ならぬキャラコーヒーを飲んでいく。

「おお、これ、凄いボリュームあるね……ゆっくり飲んでいこう」
「……あれ? 可奈美ちゃん、いいの? お代もらわなくて」
「ん? まあ、これは作ってもらったとはいえ、飲んでいるのは私だし……私が後で支払うよ」
「そうじゃなくてッ! あっちッ!」

 響が指さすのは、青年が飲み干した、タカヒロ特性のコーヒーカップ。
 あれは確かに店の在庫であり、それを口にしたのは間違いなくあの青年。彼は今、そのままラビットハウスを立ち去った。
 つまり。

「……食い逃げだあああああああ!」



「ふむ……」

 古びた教会。
 見滝原の一角にあるその場所に、男は立っていた。
 男と言っても、ただの一般人ではない。中年の男性ではあるが、その古めかしいローブは、邪悪な魔法使いを連想させる。ゆっくりと顔を覆っていたフードを外し、蓄えた口ひげを撫でる。
 静かに教会の中を歩み、講壇で彼は足を止めた。

「これが……聖杯戦争の参加者か」

 講壇の上に無造作に置かれているのは、カード。
 タロットカードを思わせる縦長のカードたちは、それぞれ騎士や戦士など、さまざまなイラストが描かれていた。どれ一つとして同じものはなく、その足元にはそのイラストの者を示す英単語___例えば、車輪の乗り物に乗る者であれば、「Rider」と記されていた。
 クラスカード。聖杯戦争のサーヴァント、そのクラスを示す魔道具である。
 やがて男は、その中から一枚のカードを取り出す。天秤と剣を持った人物が、落ち着いて目を閉じており、その足元には「Ruler」と記されていた。

「ルーラー……なるほど」

 男は唇を舐めながら頷いた。

「聖杯そのものが呼び出す、聖杯戦争を進めるためのサーヴァント……私は、そういうことか?」
『そうだね』
『こんなモンまで呼ばねえといかねえほど、今回の聖杯戦争はひっ迫してんのかねえ?」
『うぷぷ。コエムシ君
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