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渦巻く滄海 紅き空 【下】
六十八 常山の蛇勢
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かなりの放任主義。
まったく子どもの成長に干渉しない奴に何度呆れたか。

見解の相違だ、と袂を分かち、大蛇丸はサスケを昔の自分に重ねて見ていた。
木ノ葉の里を捨て、師を切り捨て、同志であり友の手を振り払った自分と、同じ境遇に陥ったサスケ。
だからこそサスケは己の考えをわかってくれると勝手に思っていた。

しかしながら自分を最期まで敬愛し、己の意志で自爆したザクの死。
そしてサスケの本心を知って、己のやり方に大蛇丸は少々疑問を覚えたのだ。

今まで子どもを成長させるには、自分が導き、お膳立てして、身勝手にも子どもの道を誘導することが、正しいと大蛇丸は思っていた。
要するに、こどもの成長に干渉気味だった。


だがザクの死と、そのザクの死を悼んだサスケの本質を知り、大蛇丸の心は揺らいだ。



その時、木ノ葉の里を捨て、師を切り捨て、同志であり友であった自来也の手を何度も振り払っても、それでも三忍という繋がりだけは捨てられなかったことを、大蛇丸は思い出した。

だから里を裏切った自分をずっと追い駆けてくれた自来也を、「大蛇丸のことを何もわかってやれなかった」と悲しみ、わかりたいと願ってくれた友が死に瀕しているのを目の当たりにして、身体が勝手に動いてしまったのだ。



三忍という繋がりを無意識に大切にしているからこそ、同じ三忍の自来也が目の前で死ぬのを良しとしなかった。
三忍のひとりであることには最後までこだわっているのは己自身だと、その時ようやく気づけたことに苦笑しながらも、大蛇丸はペインと敵対することを選んだ。

元リーダーであるペインよりも、同じ三忍という繋がりを優先したのだ。



【万蛇羅の陣】の蛇の群れから脱出してきたペイン達を前に、大蛇丸は自来也を支える腕に力を入れた。


「自来也…少しはアンタに感謝してるわ」
「…え?」
「べつに。なんでもないわよ」



小声で感謝の言葉を伝えるもすぐさま否定する。
そんな大蛇丸に気づかず、ペインのひとりに注目していた自来也は、潰れた喉を必死に振るわせた。
注意を促す。


「気を…つけ…ヤツは…と、うめい…に…」



口寄せの印を結んだペインのひとり。
ソイツを自来也の結界トラップに引き摺り込もうとしたものの、別のペインが身代わりに死んだのだ。
死んだのは忍術を吸収する厄介なペインなので、どのみち早めに倒さねばならない相手だが、そもそも先ほど完全に殺したはずの三人のペインも、術か何かで生き返っていた。

故に、忍術を吸収するペインも、今し方大蛇丸の蛇に喰い破られたペインもグズグズしていると復活してしまう。
それまでに決着をつけねばならないのに、最初に自来也の前へ姿を現したペインが再び、厄介な奴を口寄
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