第2部
ダーマ
イグノーの遺志
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……。ただ、『ミオ』っていう言葉の意味が、『水』とか『海』に関することだけは聞いたんだ」
「海……。てことはジパングって、島国かもしれないね☆」
「……どうしてそう言える?」
シーラの発言に、疑問を投げかけるユウリ。
「だって、ミオちんのお父さんが自分の子供に名付けるくらい印象に残ってたくらいだもん、きっとその国の人たちにとって水や海ってのは、かなり身近な存在だったかもしれないよ。だからきっと、海とかかわりが深い国なんじゃないかなー、って思って」
「……俺もお前と同意見だ。おそらくジパングは、島国か、俺たちがまだ到達していない大陸にあるのだと思う」
「てことは、その辺りを探すってことでOK?」
「ああ。今回は長い旅になるかもな。……ところで、それが本来のお前か?」
すらすらと推理するシーラの姿に、ユウリは訝しげに尋ねる。
「これからは、自分を偽るような生き方は捨てようって決めたんだ♪ とゆーことで、これがホントのあたしだよ☆」
そうユウリに笑顔で言うシーラだが、よく見ると若干手が震えていた。
ユウリはしばし考えるようにシーラを見据えていたが、やがて口を開いた。
「バカ二人の相手をしなければならないのが俺だけじゃなくて、正直助かる」
「ちょっと待て!! バカ二人って、オレとミオのことか!?」
それは何に対する怒りなのだろう、私はナギを横目で見る。
「ダメだよユウリちゃん! バカはナギちん一人だけだから!! ミオちんはただ単にものすごく鈍いだけだから!!」
「シーラ……。それ全然フォローになってないんだけど……」
「なんだよ、シーラまでオレをバカ扱いするのかよ!! せっかくガルナの塔で助けてやったのに!!」
「何言ってんの、塔の最上階から平気で飛び降りられちゃうなんて、頭がバカじゃないとできないよ!!」
そうやってみんなと言い合うシーラは、以前の遊び人シーラとはまた違う明るさが感じられる。
きっと今の言葉は、シーラにとってはとても勇気のいることだったのだろう。自分らしく生きること、それを私たちに伝えること、それが彼女が変わるための第一歩だったのかもしれない。
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