じいちゃんの裏ノート!
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
円堂はそのあと夏未と監督の3人で校長室へとお邪魔していた。
「聞かせてくださいじいちゃんの話!」
「よかよか。大介は情熱がスパークするサッカーバカやったたい。寝ても覚めてもサッカーのことしか考えんかったとよ」
話では2人で山で対決をしたことやら。猪狩りをしたことやら。
しかも校長室に掛かってる猪は円堂大介が狩った猪だという。
「キーパーの練習はしたんですか!?」
「ああ。木にロープでタイヤを結んでな」
「ええっ!?…俺おんなじことやってました…」
「そうかぁ…流石大介の孫たい」
監督もそんな会話に加わる。
「ところで円堂大介のノートと言うのは?」
「ああ。裏ノートのことたいね?」
「「「裏ノート?」」」
「表のノートには書けんことばっか書いてあるおそろしかノートばい。あれは大介が死ぬちょこっと前のことやった。大介が突然私ば訪ねてきて一冊のノートば託したとよ。…もし俺に何かあったら処分してくれ。…あげんことに」
そう思い出すように語る校長からは一筋の涙が落ちる。
「大介…。空の向こうでもサッカーばしよるとか?お前の頼みだったが捨てることは出来んかった…。いつか受け継ぐべきものが現れるだろうってなぁ」
そう言って校長は円堂を見つめる。
円堂はその裏ノートに手を付け、ページを開く。
「うわ、すげぇ!こ、こんなすげぇ技じいちゃん出来たんだ!」
「いいや、出来んかった」
「…え?」
「妄想はよかばってんスパークするサッカーバカの大介でも出来んかった不可能な技が書かれとるたい。それ故、究極奥義って呼ばれとるばい」
「究極奥義!?」
その言葉を聞いた円堂はその書かれた技に目をやる。
そして目を輝かせる。
「じいちゃん俺やってみせる!究極奥義絶対ものにしてやる!!」
「…で、どんな技が書いてあるの?」
夏未はそう言い円堂が持っているノートに目をやる。
「例えばこれ!正義の鉄拳。究極のパンチ技!」
「正義の鉄拳…?」
「パッと開かずグッと握ってダン!ギューン!ドカン!」
「…え、円堂くんお爺さんって…」
と少し監督も困惑したように呟く。
「流石大介の爆発するサッカーバカの文章たい…。お前らしかばい…大介…」
そう言って校長先生は目頭を押さえる。
「すげぇんだ!他にも色々あるんだ究極奥義が!…ん?」
「どうしたの?」
何かに気付いたような円堂に夏未は声を掛ける。
「ここに究極奥義は未完成って…」
「未完成…。やっぱり完成させられなかったにね…」
「じいちゃんが諦める訳ない…!絶対に完成出来たはずなんだ!あとは俺が受け継いでみせる!!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ