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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第77話:激戦
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 できたってのに・・・」

俺は改めて戦況を示すスクリーンに目を向ける。
先ほど、はやてから第2射を撃つ連絡が入り、ゆりかご後方の空間にも
ガジェットのいない領域が生まれていた。

「空は今のところ順調・・・ですか」

「今はな。だが、これからが正念場だよ」

「そうですね」

その時、アルトの声が艦橋の中に響く。

「副部隊長!高町隊はポイントA1から、ヴィータ隊はポイントB2から
 それぞれゆりかご内部に突入しました。同時に通信は途絶しています」

「了解した。突入部隊に関しては連中を信じるしかない。
 ゆりかごの様子に変化がないか注意深く観測を継続しろ」

「はい!」

突入部隊との連絡が取れなくなったことで俺の心の中がざわつく。

(なのは・・・無事に帰ってくれよ)

俺は、ポケットからペンダントを取り出すと血で赤く染まったそれを
固く握りしめた。



2つの突入部隊がゆりかご内部に突入してから30分ほど経った。
はやての火力はやはり絶大で、ゆりかごはなおもガジェットを吐き出し
続けてはいたが、戦闘開始直後に比べれば目に見えてその数を減らしていた。

空中戦がようやく落ち着いてきたと感じた俺は、急に尿意を催した。
改めてスクリーンで戦況を確認するが、2つの航空隊はガジェットに対して
明らかに優勢に戦っているし、地上のガジェットも108部隊が
良く抑えてくれている。加えて、クラナガンから至近の位置に
ガジェットが出現したことで首都防衛隊も動き出しており、
地上戦も次第に優位に運びつつある。

(俺がいなくても大丈夫・・・だよな)

そう考えた俺は近くにいるグリフィスを呼んだ。

「何ですか?ゲオルグさん」

「ちょっとの間、ここを任せていいか?」

「・・・どうされるおつもりですか?」

グリフィスは剣呑な表情で俺を見る。
俺は、苦笑してグリフィスに向かって手を振った。

「お前が何を考えてるかはだいたい理解できるけど、外れだよ。
 ちょっとトイレに行きたいだけ」

「本当ですよね?」

「本当だよ」

しばらくの間グリフィスは俺のことを疑うような目で見ていたが、
ふっと表情が和らいだかと思うと、

「八神部隊長からゲオルグさんが艦橋を出ようとしたら、殴ってでも止めろ
 って言われたんですよ、実は」

と言って笑った。

「はは・・・俺って信用ないんだな」

「というより心配されてるんですよ。
 さっきはあんな映像も見せられちゃいましたし。
 それはそうと、トイレなら仕方ないです。できるだけ早くお戻りください」

「判った。少し頼む」

「了解です」

俺は艦橋を出ると一番近いトイレに向
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