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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第73話:すべては勝つために
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には固定武装の配置が書かれてない。それに,侵入する時には
 敵側の苛烈な迎撃が予測されるからな。その場の状況に対応できるように,
 戦術選択の自由度はある程度確保しておきたいからだ」

そう言うとシグナムは理解したというように頷いた。

「じゃああとは,誰がどこに突入するかだね」

なのはがモニターを見つめながらそう言った。

「やっぱり,私たちとフォワードのみんなが突入かな?」

なのははそう言って俺の方を見た。
俺はなのはの言葉に対して首を横に振る。

「隊長・副隊長はともかく,フォワードの連中をゆりかごへの突入要員としては
 考えてないよ」
 
「え?なんで?」

なのはは俺の言葉に驚きながら首を傾げる。

「あいつらは飛べないからな。ヘリで輸送っていう手段も考えられるけど,
 飛行型ガジェットがブンブン飛び回る中をヘリでのんびり接近てのは
 どう考えても現実的じゃないからな。ゆりかごへの突入要員には
 飛行能力が絶対条件だよ」
 
「そっか,そうだね。でも,それだと隊長・副隊長の4人しか突入要員は
 確保できないよね。戦力不足じゃない?」

「それについては,さっきはやてから聞いたんだけど,他の航空部隊や
 陸士部隊の力を借りられるめどが立ったらしい。
 突入部隊については,空戦魔導師の中から選抜して,隊長・副隊長の誰かが
 指揮をとる形になる」
 
俺がそう言うと,なのはは大きく頷いた。

「そうなんだね・・・。さすがはやてちゃんだ。
 なら私は,玉座の間への突入部隊なの?」

なのはの言葉に俺は首を振る。

「いや,なのはには突入部隊に加わってもらうつもりはないよ」

俺がそう言うと,なのはが俺を鋭い目で睨みつけた。

「何で!?」

俺はなのはの方を見ると,小さく息を吐いた。

「それが原因だよ。なのは」

「それ・・・って,それじゃ判んないよ。わかるように説明して!」

なのははなおも俺に向かって食ってかかる。

「今からそんなに興奮してて,実際突入する時に冷静で居られるのか?」

俺の言葉になのはは少しひるんだようだった。

「・・・いられるよ」

「その言葉を信じろと?今も頭に血が上ってるのに?
 言っておくが,この作戦に次はないんだぞ。失敗は即世界の崩壊に
 つながるんだ。そこら辺をもうちょっと真剣に考えるべきだな」

「でも!」

なのはが俺に向かって反論しようとするのにシグナムが割って入った。

「2人ともそれくらいにしておけ。なのはは少し頭を冷やすべきだし,
 ゲオルグの言うことは正論だが,なのはの感情も考慮に入れるべきだ。
 いずれにせよ,拙速に結論を出すべきではないと思うが」


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