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霧の向こうのハーレム
プロローグ 2

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風もなく穏やかな日がさす今日、俺は受験に失敗した。今までやってきたことが一瞬で消えた。もうどうでもよくなった。
こうして貸しボートの上で呆けていても何も感じない。

―池に飛び込んで死ぬか?

そんなことをしても無意味だ。

―じゃあ、どうしたい?

何もしたくない。

―つまらない奴だ。

つまらなくて結構

―いいところに連れて行ってやる。

いいところ?

―そう、いいところだ。どこかは聞くな。

なぜだ?

―さあ、旅立ちだ。

おいっ



「・・・はっ。」

・・・なんだ、今のは。夢か?どこからか声が聞こえて…今考えると不気味だな。

と、突然空が見えなくなり、視界が白くなる。
俺は飛び起きた。ボートや水面は確かに見える。どうやら目が見えなくなったわけではないようだ。だが、周りは全く見えず濃い霧に包まれたような感じがする。
一周300mほどの池でこれほど濃い霧が立つか?
俺は怖くなって岸に向けてボートを漕いだ。しかし一向に岸につかないし他のボートも見えない。
なぜだ、なぜ着かない。もう岸についてもいい頃だろ。
それならしばらく漕ぎつづけたが何も表れない。

「どうなっているんだよ。」

急に風が吹き始め霧が晴れる。空はさっきと変わらないが、周囲の景色が異常だった。
池ではない、陸地らしいものなんて1つもない。

「な、なんなんだよ・・・。」

キョロキョロしていると背後に島があることに気が付いた。
こんなわけのわからない所に居ても仕方ない。俺はボートを島へ走らせた。

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