第一部
プロローグ3
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と、同じ女として同情を禁じえない馨であった。元トップの尻拭いをさせられているだけの、唯のスケープゴートなのだから。
「もう、私は無理なんです。流石にキツすぎるんです。あそこは魔境です。常人なら、一日も居れば狂ってしまいます!」
馨が考え込んでいる間も必死に土下座を続けていた甘粕が、遂に泣き出した。
「あぁ・・・君がこうまでなるとは・・・・・・。こりゃもう無理か。」
流石に、自身の配下で一番信頼出来る人間が泣き出したのを見て、鈴蘭たちの調査は諦める馨。
甘粕には、彼女たちの意識調査と権能の調査などを頼んでいたのだ。やはり、同じ国に四人もカンピオーネがいると、皆が混乱する。一体誰につけばいいのかが分からないからだ。情報では、四人とも関係は良好のようだが、それも何時まで続くのかは分からない。安心を得るためにも、この調査は重要だったのだが・・・。
「しょうがない。じゃぁ、草薙王の調査を頼むよ・・・。」
「有難う御座いますぅ!!」
つい先日生まれた五人目のカンピオーネ。その調査という、普通で考えれば自殺行為な命令にも、喜んでいるあたり、どれだけ鈴蘭たちの元にいるのが苦痛だったのかがわかるだろう。
「行ってきます!」
「はぁ・・・。」
先程までの情けない姿は何処へやら、瞬時に気配を消した部下の姿を見て、溜息を吐く馨であった。
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