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角煮からしゃぶしゃぶに
第二章

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 それはこの日だけでなく毎晩ヘルシーなもので。
 娘の美幸母親そっくりの彼女も言った。
「最近あっさりめね」
「だからお父さんが痩せる様によ」
 それでとだ、伊織は娘に話した。
「お魚もね」
「ムニエルとかカツじゃなくて」
「焼いたりアクアパッツァにしたりね」
「お刺身なのね」
「同じ食材を使っても」
 それでもというのだ。
「お料理の仕方次第でね」
「変わるのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「今は鶏肉だけれど」
「ローストにしたのね」
「お父さんの好きな唐揚げでなくね」
「そういうことね、まあ私は部活あるから」
 高校で水泳部の選手の美幸はこう言った。
「沢山食べるわね」
「バランスよくね」
「そうするわね」
「あなたも量自体はいいから」
 一緒に食べる夫に話した。
「そちらは我慢しないでね」
「それはいいんだ」
「ええ、カロリーは低いから」
 食べるそれはとだ、夫にオープンでじっくりと焼いて脂を落とした鶏肉とサラダそれに野菜のシチューを出した。
 夫は昼も外食から妻が作った弁当を食べる様になった、そして次の会社の健康診断を受けるとだった。
「いやあ、健康になったよ」
「体型もすっきりしたしね」 
 見れば二十キロは痩せた感じだ。
「やっぱりよ」
「食事だね」
「肥満が心配なら」
「カロリーの低いものにする」
「同じ食材を使ってもね」 
 それでもというのだ。
「そうすればいいのよ」
「そうなんだね、じゃあこれからも」
「また脂っこいもの出していくけれど」 
 夫が痩せたので好物もというのだ。
「また太ったらね」
「そうするんだね」
「ええ、宜しくね」
「わかったよ」
 妻の言葉に笑顔で応えた、そうして妻が作った料理を食べていくのだった。以後彼が健康診断で引っ掛かることなく妻に深く感謝した。


角煮からしゃぶしゃぶに   完


                    2023・1・21
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