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Fate/WizarDragonknight
芸術鑑賞はお静かに
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『ルパッチマジックタッチ ゴー チョーイイネ キックストライク サイコー』
「さあ、オイラの芸術をもっと味わうがいい! 芸術は爆発だ!」
「芸術鑑賞は静かにってのがマナーなんだけど!」

 吹き荒れる突風。
 デイダラの爆発を吹き飛ばす風が、ウィザードの右足に集っていく。
 それを見たデイダラの表情に、ようやく変化が見れた。

「何だ……!? チャクラ(・・・・)が右足に集まって……」

 デイダラが唇を噛むのと同時に、ウィザードは天高く駆け上がる。
 緑の風は、そのままデイダラを捕縛し、竜巻の中に閉じ込める。
 緑のストライクウィザードが、そのままデイダラへ向かっていく。殺しはしないよう、少しだけ急所を外すようにするが。

「舐めるな!」

 デイダラはジャンプ。乗っていた鳥、そして数体の新たに生成した大型の鳥をウィザードへ差し向けた。

「だあああああああああああああっ!」

 そのまま、ストライクウィザードは通過。
 一瞬の沈黙の末、鳥たちは次々と風に切り裂かれ、爆発していった。

「なっ……!」
「はあっ!」

 粘土たちへ使ったことで、想定以上に十分威力は軽減された。
 ただのキックとなった風のストライクウィザードは、そのままデイダラの胸に命中。

「がはっ!」

 吐血したデイダラは、そのまま地面に追突した。
 着地したウィザードは、その勢いのまま、体を一度回転させ、その姿を見つめる。

「やった……!」
「ハルトさん!」

 可奈美はウィザードに駆け寄った後、デイダラへ接近する。

「これ、預からせてもらうね!」

 倒れたデイダラのポーチを取り上げ、抵抗しようとする彼へ千鳥を向ける。

「ぐっ……!」
「私達は、あなたと戦いたいんじゃないよ。ただ、話がしたいだけ」

 千鳥をデイダラの首元に付きつけながら、可奈美は続けた。

「私は、衛藤可奈美。あなたと同じ、聖杯戦争の参加者だよ」
「ケッ……! 倒した相手に自己紹介か? 願いが叶うんだ。とっとと殺せばいいだろ」
「そんなつもりはないよ。私達は、聖杯戦争を止めるために戦うんだから」
「……甘ちゃんじゃねえか。うん」
「そういうアンタは、何のために戦っているんだ?」

 ウィザードは変身を解除しながら、デイダラに歩み寄った。
 丸一日ぶりの松菜ハルトの体に安堵を覚えながらも、ハルトはデイダラへ手を差し伸べる。

「聖杯なんかに頼らなくても、俺たちは力になれる。これ以上の戦いはもう、無意味だよ」
「……下らねえ」

 デイダラはそう呟いて。顔を上げる。
 彼はそのまま、一気にハルトへ接近。

「ぐっ!」

 彼の蹴りを腹に受け、ハルトはそのまま地面を転がる。


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