第二章
[8]前話
「さっきから気になってるけれど」
「どうしたの?」
「いや、ゴキブリ用のホウサン団子入れたのよねあれ」
「あれね、そうよ」
弘子も部屋の端を見てそうだと答えた。
「ゴキブリ出てもね」
「あれ食べさせて退治させるのね」
「そうよ、姿見てからじゃ遅いと思って」
それでというのだ。
「もう置いてるの」
「北海道ってゴキブリ出ないんじゃないの?」
真綾は鮭の刺身を食べつつ言った、これが実に美味かった。
「確か」
「昔はそうだったらしいわね」
真綾は鱈のムニエルを食べつつ応えた。
「何でもね」
「昔って」
「ゴキブリのしぶとさ尋常じゃないから」
弘子はこのことは真顔で話した。
「だからね」
「寒くてもなの」
「それに人のお家とか煖房が入るから」
「暖かいから」
「いられるしね」
そうした場所はというのだ。
「今じゃいるみたいよ」
「そうなのね、ゴキブリは侮れないわね」
「ゴキブリは北海道にいないっていうのは」
この説はというのだ。
「今はね」
「通じないのね」
「そうみたいよ」
こう真綾に話した。
「それで私虫苦手だから」
「見ないうちになのね」
「置いてるの」
「そういうことね、わかったわ」
真綾は弘子のその話に頷いた、そしてだった。
この日は弘子の部屋で飲んで食べてそうしてから真綾は出張で用意してもらっているホテルに戻った。出張の間はそこを拠点として仕事をして。
秋田に戻った、そして秋田から弘子に電話をした。
「私もお部屋にホウサン団子置いたわ」
「そうしたの」
「冬でもね」
「ゴキブリは強くて」
「煖房あったら出て来かねないから」
「ええ、そうした方がいいわね」
弘子も反対しなかった。
「じゃあね」
「ええ、これからもね」
「ゴキブリには気を付けてね」
「北海道にもいる様になったし」
「寒くても安心出来ないからね」
電話でもこう話した、二人はそれからもゴキブリには気をつけていった。どれだけ強いかを認識しているので。
ゴキブリは北海道にも 完
2023・1・20
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