第一章
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長身モデルと小柄モデル
黒田綾はモデルである、その背は一七五ある。
黒髪を長く伸ばしていてきりっとした顔立ちで顔の形は長い五角形だ。モデルらしく整ったスタイルである。
所属事務所の八条芸能モデル部門では人気がある、その彼女と同じ事務所で同期で友人でもある新井桜はというと。
背は一四五で小学生に見える童顔で黒髪をおかっぱにしている。やや丸顔でありスタイルも子供の様である。
だが彼女も人気がある、それで事務所のスタッフ達も言うのだった。
「綾ちゃんもいいよね」
「そして桜ちゃんも」
「二人共ね」
「背が高い娘もいいけれど」
「背が低くてもね」
どちらでもというのだ。
「売り方があるからね」
「それでいけてるね」
「今時モデルは背が高くないと駄目とかね」
「そんな時代じゃないから」
「個性だよ」
問題はというのだ。
「その個性をどう売り出すか」
「それだよね」
「本当にそれ次第だよ」
「だから綾ちゃんもいけるし」
「桜ちゃんもだよ」
「勿論他の娘達もね」
他の所属のモデルの娘達もというのだ。
「何処がいいか」
「そこを見極めることだよ」
「本当にそれ次第」
「モデルの娘もそうで」
「他のお仕事の娘達もね」
こう話してだった。
二人をそれぞれ売り出し仕事をしてもらっていた、そして。
その中でだ、綾は桜と一緒にカラオケに行って歌っている時にこんなことを言った。
「モデルは今や個性って言うけれどね」
「どうしたの？」
桜は烏龍茶を飲みつつ歌い終えた綾に聞き返した。
「よく言われるけれどね」
「いや、確かにそうにしても」
言われる通りだというのだ。
「けれどね」
「それでもっていうの」
「そう、モデルやってて」
それでとだ、綾は次の曲を選びつつ言うのだった。
「気にしないといけないことは同じよね」
「背が高くても低くても」
「スタイルの意地よ」
綾はこれだと言った。
「もうね」
「ああ、それね」
桜も言われて頷いた。
「どうしてもね」
「モデルやってるとね」
「スタイル維持する為に運動して」
「結構ハードにね」
「それで食べものもね」
「飲みものもね」
「気を付けないとね」
こう綾に返した。
「そうなのよね」
「そう、もうアスリートみたいよね」
「アスリート以上かもね」
「何しろスタイルがお仕事だから」
「それでね、勿論お顔や髪もね」
「いつもお手入れしてね」
「奇麗にしないといけないから」
だからだとだ、綾にさらに言った。
「もうね」
「大変よね」
「その大変さはね」
それこそと言うのだった。
「物凄いわね」
「こうしてカラオケ行くのも」
綾は曲を決めて
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