第二章
[8]前話
「お母さんの先輩よ」
「えっ、先輩!?」
「同じ小学校のね」
こう息子に話した、その顔で。
「お母さんが一年生の時六年生だったのよ」
「お母さんより五つ上!?」
「そうよ」
「それでお父さんより一つ上って」
今は単身赴任中の父の話もした。
「嘘だよね」
「嘘じゃないわ、あの人お父さんがお店やってて」
その喫茶店をというのだ。
「お手伝いしてて今は結婚されてて」
「お店やってるんだ」
「そうなのよ」
「いや、本当に大学生にしか見えないよ」
友樹は驚きを隠せない顔で母に言葉を返した。
「どう見ても」
「そうだけれどね、あの人お子さん息子さんお二人だっていうから」
「娘さんじゃないんだ」
「ええ、あの人若い時から変わってなかったけれど」
それでもというのだった。
「今もなのね」
「お母さんより年上だなんて」
息子は唖然とするばかりだった、こんな話があってだ。
志桜里は後日そのショッピングモールに行き買いものをしてからその喫茶店に入った、そしてカウンターでホットミルクティーを注文し。
息子が言っていたその人長池美果に話した。見れば息子が言う通り大学生にしか見えない。自分より年上にはとてもだった。
「いつもお若いですね」
「それが最近肩凝りが酷いのよ」
美果は志桜里にカウンターの中から笑って応えた。
「どうもね」
「そうなんですか」
「ええ、もう歳ね」
「いえ、本当にお若いですよ」
「外見は?そう言ってくれたら嬉しいけれど」
声も大学生の様に若々しい。
「本当に肩凝りがね」
「そうなんですか」
「ええ、この前中学生の子に告白されたけれどね」
「下の息子さん今高校生でしたね」
「結婚してるし息子より年下の子はね」
志桜里に苦笑いで話した。
「絶対にね」
「無理ですね」
「不倫で付き合ったら犯罪よ」
その苦笑いで話した。
「歳言って断ったら雷に打たれたみたいな顔になってたわ」
「そうですか」
「ええ、けれど今もなのね」
「お若いですよ」
「そう言ってもらって嬉しいわ」
美果は笑顔で応えた、志桜里はそんな彼女と親しく話した。そして数年後彼女がまた中学生に告白されて同じ展開になったと聞いた、そのことを話す彼女の外見は全く変わっておらず息子もそれを聞いて驚いていた。
ずっと美魔女 完
2023・1・19
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