暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第69話:惰眠から覚めよ
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
での指揮だけ」

「判った。それで十分だよ。ありがとな,はやて」

「感謝なんていらんから,なのはちゃんに心配かけるようなことはせんといて」

「了解」

俺がそう言うと,はやては俺に背を向けて病室を出ようとした。
が,何かを思い出したようで振り返って戻ってきた。

「そうや。これを返しとこうと思ったんよ。」

そう言ってはやてが差しだしたのは,待機状態のレーベンだった。

「・・・ないないと思ってたら,はやてが持ってたのか」

レーベンを受け取りながらそう言うと,はやては肩をすくめた。

「どうせ今のゲオルグくんが持ってたって,何の役にも立てへんやん。
 それに,戦闘記録の解析もせなあかんかったし」
 
「はいはい。あ,そう言えばザフィーラは?」

「ここに入院してるけど,まだ目が覚めてへんねん。
 ゲオルグくんとは逆に,命の危険は無かってんけど,怪我が重うてな。
 ま,動けるようになったら顔だけでも見たって」

「そうか・・・わかった。必ず会いに行く」

「うん,そうしたって。ほんなら帰るわ」

「おう」



はやてが病室を出ると,俺はレーベンに話しかけた。

「レーベン」

《なんですか?》

「悪かったな。情けない持ち主で」

《まったくです。私を生かすことなくやられるなんて,マスター失格ですよ》

「・・・そうだな」

《マスター,いつもの調子が出ませんか?》

「そんなつもりはないよ」

《いいえ。普段のマスターなら”じゃあレーベンはマスターを
 守れなかったんだからデバイス失格だな”ぐらいのことは言いますから》
 
「・・・俺,そんなひどいこと言ってたんだな。悪い」

《マスター,私を失望させないでください。何をヘコんでるのか知りませんけど
 数々の修羅場を自らの能力と頭脳で乗り切ってきたマスターはどこに
 行ったんです?》
 
「俺はそんなに立派な人間じゃないよ」

《少なくとも,昨日までのマスターは今のマスターよりは立派でした》

「・・・それは自分を過大評価してたんだろ」

《どうやら,あなたは完全に腑抜けになったようですね》

「・・・なんだと?」

《そんなだからヴィヴィオも守れなかったんですよ》

「あ?黙って聞いてれば好きなことばっか言いやがって。
 お前に何が判る。目の前で助けを求めてる娘を守れず,
 むざむざ敵にさらわれて,ヘコむなっていう方が無理な話だろ」

《ヘコんでる暇があったら,自分に何ができるかしっかり考えなさい!
 いいですか?ヴィヴィオは,あなたの娘は今敵に捕らわれてどのような
 目にあわされているかも判らないんですよ。そんなときに父親のあなたが
 ただ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ