第69話:惰眠から覚めよ
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での指揮だけ」
「判った。それで十分だよ。ありがとな,はやて」
「感謝なんていらんから,なのはちゃんに心配かけるようなことはせんといて」
「了解」
俺がそう言うと,はやては俺に背を向けて病室を出ようとした。
が,何かを思い出したようで振り返って戻ってきた。
「そうや。これを返しとこうと思ったんよ。」
そう言ってはやてが差しだしたのは,待機状態のレーベンだった。
「・・・ないないと思ってたら,はやてが持ってたのか」
レーベンを受け取りながらそう言うと,はやては肩をすくめた。
「どうせ今のゲオルグくんが持ってたって,何の役にも立てへんやん。
それに,戦闘記録の解析もせなあかんかったし」
「はいはい。あ,そう言えばザフィーラは?」
「ここに入院してるけど,まだ目が覚めてへんねん。
ゲオルグくんとは逆に,命の危険は無かってんけど,怪我が重うてな。
ま,動けるようになったら顔だけでも見たって」
「そうか・・・わかった。必ず会いに行く」
「うん,そうしたって。ほんなら帰るわ」
「おう」
はやてが病室を出ると,俺はレーベンに話しかけた。
「レーベン」
《なんですか?》
「悪かったな。情けない持ち主で」
《まったくです。私を生かすことなくやられるなんて,マスター失格ですよ》
「・・・そうだな」
《マスター,いつもの調子が出ませんか?》
「そんなつもりはないよ」
《いいえ。普段のマスターなら”じゃあレーベンはマスターを
守れなかったんだからデバイス失格だな”ぐらいのことは言いますから》
「・・・俺,そんなひどいこと言ってたんだな。悪い」
《マスター,私を失望させないでください。何をヘコんでるのか知りませんけど
数々の修羅場を自らの能力と頭脳で乗り切ってきたマスターはどこに
行ったんです?》
「俺はそんなに立派な人間じゃないよ」
《少なくとも,昨日までのマスターは今のマスターよりは立派でした》
「・・・それは自分を過大評価してたんだろ」
《どうやら,あなたは完全に腑抜けになったようですね》
「・・・なんだと?」
《そんなだからヴィヴィオも守れなかったんですよ》
「あ?黙って聞いてれば好きなことばっか言いやがって。
お前に何が判る。目の前で助けを求めてる娘を守れず,
むざむざ敵にさらわれて,ヘコむなっていう方が無理な話だろ」
《ヘコんでる暇があったら,自分に何ができるかしっかり考えなさい!
いいですか?ヴィヴィオは,あなたの娘は今敵に捕らわれてどのような
目にあわされているかも判らないんですよ。そんなときに父親のあなたが
ただ
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