第66話:隊舎襲撃、そして・・・
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やれそうか?]
[問題ないです。キツくなったら後退します]
[それでいい。聞いてのとおり隊舎は放棄だ。無理はするんじゃないぞ]
[了解]
目の前のドアを開け,屋上に飛び出すとひどい有様だった。
屋上ヘリポートのあたりは完全に崩壊し,下の階に瓦礫が散乱している。
俺は,シャマルを見つけると駆け寄った。
「シャマル。遅くなった」
「いいえ。状況は最悪よ」
俺はシャマルの開いたディスプレイを見て,唖然とした。
「飛行型ガジェット100以上に,ガジェット3型20以上,
ガジェット1型50以上だと・・・。全部実体か?
前みたいにフェイクも交じってるんじゃ・・・」
俺がそう言うと,シャマルは首を振る。
「もしそうだとしても,肉眼ですら区別できないのだから,
実体と変わらないわ」
「シグナムとヴィータは?」
「今は飛行型の方に対処してもらってる」
「そうか・・・他には?」
「沖合に戦闘機人らしき反応か感じられたのだけど,今は探知範囲外ね。
他にはないわ・・・待って!」
シャマルはディスプレイに目を走らせる。
「戦闘機人2体とアンノウン1体の反応ね。隊舎の山側に突然出現したわ」
「どこだ?」
俺が聞くと,シャマルがディスプレイを指さす。
そこは,寮と隊舎をつなぐ通路の山側にある草地だった。
「なんでこんなところに・・・」
その時,ザフィーラから念話が来た。
[ゲオルグ!聞こえるか!?]
[聞こえてる。どうした?]
[すまん。敵に囲まれた,援護を頼む。位置は連絡通路の山側の草地だ・・・]
そこでザフィーラからの念話は切れてしまった。
「・・・しまった!」
俺は悔しさのあまり唇をかみしめる。
「どうしたの?」
「さっき出現した敵の狙いはヴィヴィオだ!」
「え!?」
「行ってくる!」
俺はそう言うと,ザフィーラのいるであろう方向に向かって駆け出した。
隊舎の端まで来ると,下の様子を覗う。
人型になったザフィーラが倒れている近くで,茶髪の戦闘機人らしき女が
金色の何かを抱えているのが見えた。
俺は隊舎から飛び降りると,茶髪の女の目の前に着地した。
「あらぁん?」
俺は女の方を見た。
前の戦闘でなのはとフェイトが一戦交えた眼鏡の戦闘機人だった。
腕の中には泣きじゃくるヴィヴィオを抱えている。
「その子を渡してもらおうか」
俺がそう言うと,声で俺だと気付いたのかヴィヴィオがパパと叫び始める。
ヴィヴィオの声を聞き,レーベンを握る手に自然と力がこもる。
「そう言われてぇ,おとなしく渡すと思うのかしらぁん」
「そうかよ・・・
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