第63話:公開意見陳述会前日
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俺は首を振る。
「そうじゃなくて,ヴィータはなのはを守るために側にいたかったんだろ?」
「なっ・・・」
ヴィータは俺に反論しようとするが,うまく言葉が出てこなかったらしく,
やがて,大きくため息をついた。
「まーな。でも,仕事なんだから隊舎の防衛だってしっかりやるよ
ヴィヴィオもいるからな」
「そうか。頼むよ」
「おう!」
しばらくして,メンバーが揃ったところで席に着くと,
俺は一度咳払いをしてから話し始めた。
一通り状況説明を終えたところで,俺は今日の会議の本題に入ることにした。
「ま,状況としてはさっき話した通りなんだが,ここからは隊舎への
襲撃があった場合の対処方法と分担について決めておきたい。
まず俺の案を話しておこう」
俺はそう言うと,隊舎の平面図をスクリーンに映して説明を始めた。
俺の案は,
@隊舎への攻撃があった時点で,非戦闘員の退避を開始する。
Aシグナム・ヴィータは敵戦力の迎撃に当たる。
B索敵・管制はシャマル,指揮は副部隊長に一元化する。
C交替部隊は隊舎内部で非戦闘員の退避を援護する。
というものだ。
もちろん,ザフィーラはヴィヴィオの直掩として配置するのだが,
ヴィヴィオが聖王のクローンというのは幹部だけの知る極秘事項なので,
ザフィーラの配置については伏せている。
また,シンクレアも戦力として計算に入れているが,ツァイス3尉は
魔導師ではないという設定なので,これも伏せてある。
「というのが俺の案だ。なにか意見や質問は?」
そう言って室内を見回すと,一人の手が挙がった。交替部隊の分隊長だった。
「交替部隊の配置はどうなりますか?」
「交替部隊のうちオフシフトの分隊は当然寮で待機だな。
オンシフトの分隊も,隊舎の損傷がどうなるかわからん以上
実際の配備箇所は事前に決めておくことはできないから
分隊の待機室で待機だ。他には?」
室内を見回すと,特に質問は無いようだった。
「よし。では明日は何もないことを祈ろう!解散」
会議室を出た俺はヴィヴィオと昼食を食べるために寮に向かった。
「あ,ゲオルグさん。早いですね」
洗濯物の入ったかごを持ったアイナさんが通りかかり,俺に声をかけてきた。
「ええ。ちょうどよかった,アイナさん少しよろしいですか?」
「ええ,いいですけど」
アイナさんはそう言うと洗濯かごを床においてエプロンで手をぬぐい,
俺の方を見た。
「明日,機動6課が地上本部の公開意見陳述会の警備に参加するのは
ご存じですね?」
俺が尋ねると,アイナさんは黙って頷いた。
「その際,この隊舎にも敵の攻撃があるかも知れ
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