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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第61話:部隊長vs副部隊長
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って
 言ってんだよ。そもそも両隊長が一番戦力になるんだから,それを
 戦場から遠いうえにデバイスも持てないようなところに配置してどうすんだ
 って言ってんの」

「そんなん解ってるわ!そやけど,要人警護かて今回の任務では重要な
 ファクターやで。オークション警備の時も同じような配置やったけど
 あんたは賛成したやんか。なんで今回はあかんのよ」

「あの時とは状況がまるっきり違うだろ。デバイスもない魔導師が
 戦力として役に立つわけないじゃねえか。
 お前はそんなことも判んねえのかよ!」
 
「主はやて」

俺は背後から聞こえてきた声に驚いて振り返った。
そこには,困惑した表情のシグナムが立っていた。

「勝手に入って申し訳ありません。ですが,声が外まで漏れていましたので」

シグナムがそう言うと,はやても少し頭が冷えたのか椅子に座りこんだ。

「ええよ別に・・・」

はやてはそう言うと,頬づえをついてそっぽを向いてしまった。

「ゲオルグ,状況を説明して欲しいのだが」

俺がシグナムに先ほどのやり取りについて簡単に説明すると,
シグナムは小さくため息をついた。

「どちらの言うことも判りますが,ここは一度中断しては?
 明日改めて,両隊長も交えて協議するのがよいかと思いますが」

シグナムがはやてにそう言うとはやては黙って頷いた。
シグナムはそれを確認すると,俺の手を引いて部隊長室を出た。

部隊長室から少し離れたところで,シグナムは俺の方を見た。

「ゲオルグ。戦術的にお前の言うことが正しいのは私も理解できる。
 が,主はやての立場も理解してはもらえないか。
 あの方は今部隊長として色々なものの板挟みになっていると思うのだ。
 だから・・・な」

「判ってる・・・いや,判ってるつもりだった・・・かな。
 俺もはやても寝不足でイラついてたからな。明日は冷静に話せると思う」

俺がそう言うとシグナムは安心したように少し笑顔を見せた。

「そうか」

シグナムは短くそう言うと俺に背を向けた。

「シグナム」

俺が呼び止めるとシグナムは俺の方を振り返った。

「止めてくれてありがとう。あとは・・・すまない」

「いや。これも烈火の将たる私の役目だ。気にするな」

そう言ってシグナムは通路の奥へと消えていった。

(ちくしょう。かっこいいじゃねえか・・・)


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