第二章
[8]前話
「三食腹一杯な」
「気合い入れて食うな」
「食い倒れだよ」
文字通りそれを満喫すると言ってだった。
彼は同期そして本社の親しい面々と共にだった。
三食満腹になるまで食べた、おやつも忘れず酒も飲んだ。名物に名店を制覇してそうしてであった。
意気揚々と札幌の自宅に帰ったが妻に言われた。
「体重計乗って」
「何でだよ」
「いいから。今からね」
「何でだよ」
夫は妻の言葉にトランクス一枚になってだった。
言われるままに体重計に乗った瞬間に妻に聞かれた。
「何キロ太った?」
「五キロだよ」
「あんた大阪行ったらいつも食べ過ぎるのよ」
「いや、大阪美味いものばかりでな」
「だからと言ってよ、私がそこがね」
「心配か」
「そうよ、大阪行って食べてもね」
それでもというのだ。
「ダイエットしてね」
「帰ってからか」
「いいわね、多少太る位ならよくても」
「太り過ぎるとか」
「よくないから」
だからだというのだ。
「いいわね」
「それじゃあな」
明も健康には気をつけている、それでだった。
妻に言われるままそうした食事を食べて身体も動かした、それで痩せたがそれから大阪出張の度に帰るとダイエットに励む様になった。それは子供が出来てからも同じですっかり彼の習慣になってしまった。
大阪出張の恐ろしさ 完
2023・1・16
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