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レーヴァティン
最終話 世界を見守ることをその一

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                最終話  世界を見守ることを
 朝食の前に幕府の御所に来てだ、久志は英雄に会ったのでその場で問うた。
「昨晩はか」
「そうだった、飲んで食った後でな」
 英雄はいつもの表情で答えた。
「女達も楽しんだ」
「言っていた通りだな」
「そちらもよかった」
「それは何よりだな」
「勝った祝いでな」
「そして世界を救ったな」
「それでだ、しかしだ」
 それでもとだ、久志はさらに話した。
「勝ったのは昨日のことだ」
「今日はか」
「また別だ」
 こう言うのだった。
「昨日は昨日だ、そしてだ」
「今日は今日だな」
「昨日の勝利を今日語って何もしないならだ」
「明日は何も語れないな」
「今日やるべきことはある」
 絶対にと言うのだった。
「だからだ」
「今日はだな」
「政を行う、それは止まらない」 
「そうだよな、俺達がサインしたり印を押さないとな」
 さもないと、とだ。久志も言った。
「政は動かないからな」
「政は紙で動く」
「つまり書類でな」
「だから俺達はだ」
「国を動かす者達としてな」
「仕事は待ってくれない」
 英雄はこうも言った。
「だからだ」
「印鑑を押すな」
「そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「政を進める」
「そうしないとな」
「若しそうしないとな」
 印を押すなりサインをしないと、というのだ。
「書類は溜まる一方でな」
「それでだよな」
「しかもだ」
 それに加えてというのだ。
「政も滞りだ」
「国も動かないな」
「そうだ、だからな」 
 それ故にというのだ。
「俺達はだ」
「政を行わないとな」
「そういうことだ、戦は終わりだ」
 そうしてというのだ。
「世界を救ったが」
「それでもな」
「しかしだ」
 それでもというのだ。
「また言うがそれはあくまでだ」
「昨日のことであってな」
「今日はだ」
「やるべきことをしないとな」
「永遠にな、この国の政は続いている」
 今も尚というのだ。
「だからな」
「飯食ったらか」
「お互い働くことになるな」
「そうだよな、俺達はこの世界にいる限りな」
「やるべきことがある」
「政もな」
「そうだ、やるぞ」
 英雄はにこりともせずに述べた。
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