やっぱり僕は歌が好き 第十八楽章「赤き血潮の印」
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この場に居るのがピエだったら、今頃胃潰瘍で倒れているわね。
「よし。サッサと契約を終わらせようぜ。こいつらの責任者は何奴?」
「え〜と……あれぇ? みんな同じ顔に見えるから判らなくなっちゃった!」
う〜ん……陛下のコレは、本気か嘘か判りづらい。
「あの……そっちの壁際で、頭が少し歪んでる男ですわ」
「あぁ……こいつかぁ!」
陛下先刻其奴の頭を歪ませて治したじゃないですか。
「こいつね……よっと!」
クズ宰相は私が指さした男の頭髪を掴み立たせると、今陛下が用意した椅子に座らせて机に付かせる。
そして持って来た封筒から書類を取り出し、目の前に並べ確認させる。
「う〜ん……でもやっぱり、頭の歪みだけじゃぁ見分け付けにくいなぁ」
契約(一方的)に入る前に、陛下がブラパン連中の見分けが付かない事を気にし出した。
そうかしらねぇ? 私的には全然見分けは付くんだけども……
陛下ほどでは無いけど、クズ宰相くらいの顔が整った男も居るし。
「如何します、印でも付けますか?」
「印……? 良いねぇ!」
そう言って瞳を輝かせる陛下とクズ宰相。
椅子に座ってる男の頭をクズ宰相が押さえつけると、先刻回収したポケットナイフで男の額に何かの文字を刻む陛下!
確かに文字は刻まれるだろうけど、今日中に正しく治癒すれば消えてしまうのでは……なんて思ってた時期も私にはありました。
陛下は痛みで苦しむ男の額に文字を刻み終えると、先刻挽いたコーヒー豆を手にして傷口に塗り込んだ!
十分にグリグリ塗り込んだ後で、透かさず「ベホイミ」と回復してあげる優しさ。
そして余分なコーヒー粉を男の服の端で拭うと、私に向かって聞いてくる。
「如何かなぁ?」
そこにはポケットナイフで刻み込んだとは思えないくらいの綺麗な文字で“下着泥棒”と書いてあるコーヒー・タトゥー。
「とても良いと思います。雑踏で見かけても判別できる確信があります」
「だよねぇ(笑)」
私は素直に感想を述べた。
男は何が書かれてるのか判らないから困惑した顔をしている。
だがクズ宰相が懐から可愛らしいデザインした二つ折りの手鏡を出し、男に状態を確認させる。
ってか何でそんなに可愛い手鏡を持ち歩いてんのよ……キモッ!
鏡で自分の顔を見せられた男は、
「な、何だよコレは!?」
とか言いながら喚いている。
知った事ではないが……
「ところで何で“下着泥棒”なんだよ?」
「え……お前こいつらの名前、知らないの?」
「ブラッディー・パンサーだろ」
「そうだよ。ダセェーよね」
「まぁ……そ
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