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レーヴァティン
第二百七十九話 蘇る世界その八

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「だから今はな」
「祝いの意味もあってか」
「それでだ」
「楽しむんだな」
「俺は女も好きだ」 
 いつもの表情で述べた。
「だから許される限りはな」
「楽しむんだな」
「ただし相手がいる女にはな」
「お前絶対に手を出さないな」
「そうした趣味はない」
 英雄はきっぱりと言い切った。
「間違ってもだ」
「人妻さんとか彼氏持ちにはか」
「相手がいるとな」
「絶対にか」
「そうした趣味はない」
 一切というのだ。
「世の中にはいる様だがな」
「人妻趣味か」
「彼氏持ちなりな」
「それリアルでやるとな」
「まずい」 
 絶対にとだ、英雄は言い切った。
「恨みを買うもとだしだ」
「まだあるか」
「安易に鞍替えする様な奴だ」
「ああ、誘って乗る様ならか」
「平気で裏切る」
「自分のものにしてもか」
「他に言い寄る奴が出るとな」
 そうなればというのだ。
「そいつにだ」
「鞍替えするっていうんだな」
「尻軽というが」
「そういう女を言うんだな」
「そうだ、娼婦とは遊ぶが」
 英雄はそうした女と楽しむことも好きである、これは久志と共に旅をしていた時からのことであり久志もよく知っている。
「しかしだ」
「そうした女とはだ」
「一切だ」
 まさにというのだ。
「そうしたことをだ」
「しないんだな」
「そうだ」
 また絶対にという口調で話した。
「何があってもな」
「女好きでも守ることは守るか」
「誰彼なしに権勢を使ってでも思い通りにする」
「女のことでか」
「それは暴君だ」
 それになるというのだ。
「まさにな」
「暴君でよくある話だな」
「二十世紀でもいたらしいな」 
 その様なことをする輩がというのだ。
「アフリカの独裁者なりにな」
「確かボカサとかいった」
「そうだったな、皇帝になったが」
 中央アフリカの独裁者だ、果てには敬愛しているナポレオンに倣って中央アフリカ帝国皇帝ボサカ一世となった。
「ハーレムも持ったな」
「行き着くとこまでいってるな」
「そうだな、何でも即位式は贅を極めたもので」
 当時の中央アフリカの国家財政の二年分の費用がかかったという。
「そしてだ」
「ハーレムまで持っていてな」
「まさに誰でもだ」
「めぼしい美人さんはな」
「入れていた」
 その権勢独裁者としてのそれを用いてだ。
「そうしていた」
「まあ何ていうかな」
 久志はそのボサカについて眉を顰めさせて述べた。
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