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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第52話:父親
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の物だよ」

「別の物って?」

「それが今回の本題だよ。2人とも,ヴィヴィオが遺伝子培養による
 人工生命体,つまりクローン体だってことは知ってるよな?」

俺がそう聞くと,なのはとフェイトは苦しそうな表情で小さく頷いた。

「で,例の戦闘でヴィヴィオを保護した時に,聖王医療院でDNAパターン解析を
 他の検査と合わせて実施してるんだが,俺ははやての許可を得たうえで,
 シンクレアにヴィヴィオとDNAのパターンが一致する人物を探させたんだ。
 その結果,完全に一致する人物が見つかった」
 
「じゃあもう片方はそのDNAパターンなんだ」

なのはが確認するようにそう言うと,俺は小さく頷いた。

「で,その人物って?」

フェイトが尋ねてきたが,そこではやてが割って入った。

「ここからは私が話した方がええやろね。
 2人とも,聖骸布紛失事件って知ってる?」

はやてがそう言うと,なのはは横に,フェイトは縦に首を振った。

「聖王教会で保管されていた聖遺物である聖骸布が紛失した事件だよね」

フェイトはそう言うと,はやては頷いた。

「フェイトちゃんの言ってるのが聖王教会から公表されてる内容。
 実際には盗まれたんよ」

「盗まれた?」

なのはがそう言うとはやてが頷いた。

「うん。まあどうやって盗まれたんかは置いといて,聖骸布が盗まれたことで
 さらに大きな問題が持ち上がったんよ」

そこで,はやては一旦言葉を切り,グラスの水を一口飲んだ。

「聖骸布っていうのは,古代ベルカの王である聖王の亡骸を包んだ布でな,
 聖王の血液が付着してたんよ。
 で,そこから聖王の遺伝子が次元世界のあちこちにばらまかれたわけや。
 当然,非合法な組織の手によってやけど」
 
「ということは,まさか・・・」

フェイトがはやての言葉を受けてそう呟いた。

「ヴィヴィオのDNAパターンがその遺伝子と完全に一致した。
 つまり,ヴィヴィオは聖王のクローンというわけだ」
 
「より正確には,歴史書に”最後のゆりかごの聖王”って記載されとる人物の
 クローンやな」

俺とはやてがそう言うと,部隊長室の中は静寂に包まれた。

「ヴィヴィオが・・・聖王の・・・」

なのはが茫然としてそう呟いた。

「・・・大丈夫か?なのは」

俺がそう聞くと,なのはは力なく頷いた。

「・・・うん。かなりびっくりしたけどね」
 
「無理するなよ」

「平気だよ。心配してくれてありがと,ゲオルグくん」

なのはは小さな声でそう言うと,俺に向かって笑って見せた。

「まあ,この件でヴィヴィオをどうこうっていうつもりはないんよ。
 そやから安心してな,なのは
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