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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第51話:少女の真実
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はやての絶叫が食堂にこだました。



・・・その夜。

夕食を食べた後に副部隊長室に戻ると,シンクレアが待ち構えていた。

「あれ?シンクレアだ。なんか久々に顔を見た気がするよ」

「それはゲオルグさんの人使いが荒いからですね」

「・・・そんな皮肉を言うためにわざわざ帰って来たのかね?」

俺がそう言うと,シンクレアは首を振った。

「ゲオルグさんから言われてたヴィヴィオちゃんのDNAパターンの
 件ですけど,ヒットしましたよ」
 
「すいぶんかかったね」

「俺,頼まれたときにそう言いましたよね」

「そうだっけ」

俺がそう言うと,シンクレアがため息をつきながら首を振った。

「ゲオルグさんは”聖王”ってご存知ですか?」

「当然だね。古代ベルカの王のことだろ」

俺がそう言うと,シンクレアは頷いた。

「じゃあ,10年程前にあった聖骸布紛失事件はご存知ですか?」

「知識としてはね,それがどうしたの?」

「あの事件のあと,聖王の遺伝子が裏社会に出まわったらしいんですよ。
 つまり,聖骸布に付着していた遺伝子を何者かが培養したってことですね」
 
「まさか・・・」

「ええ,そのまさかです。ヴィヴィオちゃんのDNAパターンは
 その時に出まわった聖王のものと完全に一致しました」

「つまり,ヴィヴィオは聖王のクローンと?」

「そうです」

俺は小さく息を吐くと,シンクレアの顔を見た。

「シンクレア」

「はい」

「この件は,はやてに報告しておいてくれ。フェイトやなのはも交えて
 対応を協議する。はやて以外には話すなよ」

「了解です」

シンクレアはそう言って部屋を出て行った。


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