第二話
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な朱槍を自分から持つ俺を「表面では謙遜しているが、内心では自分の実力に自信を持っている生徒」と見ているわけだ。
「え? あ、いや。これはそんなのじゃないですよ?」
俺はオリオトライ先生の言葉を否定すると前世の聖杯戦争で出会った一人のサーヴァントを思い出す。
強くて勇敢で、自分のマスターを守るために命を懸けた、赤の槍を操る青のサーヴァント。
俺はあんな男になりたいと思って、そんな思いを忘れないためにこの赤の短槍を武器としていたのだった。……でもそんなこと恥ずかしくて誰にも言えるはずがない。特にキャスターには。
「誰だてめえら!?」
野太い声が聞こえてきたのでそちらを見ると、ヤクザ事務所から頭に二本の角を生やした四本腕の魔神族が出てきた。それを見たオリオトライ先生は魔神族に近づいていきながら口を開く。
「んじゃ皆、これから実技ね? 魔神族ってのは体内に流体炉みたいなのを持っているから内燃拝気の獲得速度がハンパないの。肌も重装甲並だし、筋力も軽量級武神とサシでいけるくらいよね」
「一体何だてめえら! ウチの前で遠足か!?」
「ねぇ、先日の高尾での地上げ、おぼえてる?」
「ああ? そんなんいつものことでおぼえてねえなあ!」
「……そう。理由も分からずにぶっ飛ばされるのも大変ね?」
オリオトライ先生の言葉に魔神族が顔を真っ赤にしているのを見ていると、何故かオリオトライ先生が俺の手を引っ張って魔神族の前につきだした。
「じゃ、北斗。あんた、この魔神族をぶっ飛ばしなさい」
「はいぃ!?」
いきなり何を言い出すの、この人!?
「む、無理ですよ! 今の説明だと魔神族って、人間サイズの軽量級武神ってことでしょ!」
「大丈夫だって、魔神族といってもただのチンピラだから。あんたなら出来る」
「だから無理ですって! キャスター、お前からも何か言って……」
「マスター! ファイト! オー!」
「お、おー……」
キャスターの方を見ると、チアリーダーみたいに応援してくる彼女の姿があった。ああっ! 鈴まで!?
「へっ! 可愛い彼女の前でいい格好をさせてやるぜ、色男!」
「う、うわっ!」
魔神族がいきなり殴りかかってきたが、それをなんとか避ける。くっ! 軌道が読みやすくて避けるのは難しくないけど、当たったら一発でアウトだぞ?
「いい? 生物には頭蓋があり、脳があるの。頭部を揺らせば脳震盪が起きる」
オリオトライ先生の声が聞こえてくる。
「そして魔神族の頭蓋を揺らす効果的な方法は……北斗! そいつの角を叩く!」
「じゃっ! Jud.!」
オリオトライ先生の声に反射的に返事をして槍で魔神族の角を叩く。その途
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